フィリップ曲線とは?低失業率の中でインフレを抑えることは可能か?
「フィリップ曲線」という経済用語を聞いたことが
ありますが、現在の米国の経済局面において、話題と
なっています。
フィリップ曲線とは
フィリップ曲線と、失業率をグラフの横軸に、
賃金上昇率を縦軸にとって関係を描くと、
賃金が上がる(下がる)ほど失業率が下がる(上がる)
右肩下がりの曲線が描けることを、1950年代に
英経済学者が提唱。その名前を冠した曲線です。
縦軸の賃金上昇率に代えて物価上昇率(インフレ率)
を取り、横軸の失業率の関係をグラフにすると同様
の右肩下がりの曲線になります。
中央銀行が景気動向(失業率)を考慮しながら、
金融政策でインフレ率をコントロールする
際の判断材料として参考にするが、デフレ下でも
失業率が低下したり、インフレ下での不況
(失業率の増大)というスタグフレーションの
場合もあり、右肩下がりのフィリップス曲線では
説明がつかない経済事象も起こっています。
Managing Disinflationの記事
フィリップ曲線の根幹となる議論では、高い失業率が
インフレを抑える原因となる。すなわち、失業率の低い
状況下では、インフレを抑えることは難しいとの
議論です。
フィリップ曲線は、FEDの予想モデルの根幹となって
います。
パウエル議長は、タイトな雇用環境により、FEDが
利上げを続けている根拠だと言及しています。
失業率が、経済のハードランニングの示唆となる
4.5%を越えるまでは、この政策を続けるとしています。
平均して8.5%のCPIインフレが15ヶ月続いた後
現在は3.1%のCPI上昇が11ヶ月続いています。
参照:
https://www.cato.org/blog/wasnt-lower-inflation-supposed-be-impossible-without-higher-unemployment
この現象は、失業率が上がったためか?
逆に、失業率は、4.5%から3.6%に下がっています。
にも関わらず、FEDや経済学者は、この矛盾を
認めるのではなく、フィリップ曲線理論が正しい
という別の言い訳を考えているようです。
まとめ
フィリップ曲線の理論について調べてみましたが
現状は、それとは矛盾した現象が起きているようです、
失業率とインフレが下がる状況は喜ばしい現象ですが
フィリップ曲線理論から考えると、これはどちらかが
いずれは間違っている可能性が高いということ
だと思われます。
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