デービッド・アイホーン氏のWiki的経歴とグリーンライト・キャピタルREのインフレに対する見方は
デービッド・アインホーン氏率いるグリーンライト・キャピタルが、
FRBのインフレ退治の本気度について疑問を投げかけている。
グリーンライトが第1四半期の投資家向け書簡で、多くの
サプライズがあった四半期を振り返っています。
デービット・アイホーンのWiki的経歴は
デービット・アイホーン氏は、ロング・ショート戦略を用いる
バリュー志向のヘッジファンド、グリーンライト・キャピタルの社長兼創業者です。
1996年に運用資産100万ドルで立ち上げたファンドは、その後年25%を
上回る純収益を上げ続けています。グリーンライト・キャピタル・リー
(ナスダックのティッカーは「GLRE」)の会長も務めており、
マイケル・J・フォックス・パーキンソン病リサーチ財団と
ヒレル(ユダヤ人の大学生活のための財団)の理事にも名を連ねています。
1991年、コーネル大学を首席で卒業し、あらゆる学科で
抜群の成績を収めています。文理・教養学部で文学士号を修得しています。
グリーンライトキャピタルREの見通しと実績は
グリーンライトは、極端に強力な金融・財政政策がインフレの
定着を招きかねないと、政府・中央銀行を批判する。
日に日にタカ派に寄っていくFRBに対しても、インフレ退治に
対する本気度をいまだに疑問視している。
1つの根拠は、FRBが2021年1月に公表した「金融政策レポート」が
示す適正な政策金利の水準だという。
同社によれば「このレポートでは『バランスのとれたアプローチ(不足)ルール』
が強調されており、失業率やインフレを含む様々な入力値から適正なFF金利を計算するために
設計されている。
現在、これが示す適正な金利は約7%である。
年内に3%か、といった議論自体が、FRB自身の知見からして
問題外といいたいのだ。
書簡では、1回50 bpの利上げを、30センチの積雪をオタマで
除雪するようなものと嗤っている。
グリーンライトは、FRBがインフレを退治できないと市場が気づき始めていると
指摘する。理由は、最近の期待インフレの上昇だ。
FRBがタカ派に寄っても、期待インフレが上昇している。
同社では、インフレがピークを打った可能性を認めつつも
(その時々の市場の織り込みに対し)上振れのサプライズが起こりうると見ている。
グリーンライトの第1四半期のリターンは⁺4.4%と、S&P 500の‐4.6%を大きく上回った。
ロング・ポジションでは7%のロスが出たが、ショートと
インデックス・ヘッジでほぼカバーしたという。
リターンに貢献したのはインフレ・スワップや金などマクロ投資だ。
インフレ上振れを予想してきたことが奏功したことになる。
平均エクスポージャーはロングが113%、ショートが81%。
単純計算でネット+32%。
前四半期はロング127%、ショート71%、ネット⁺56%。
ネット・ロングを縮小していることがわかる。
グリーンライト・キャピタルは、この第1四半期において、マクロと
株式のロングショートで、選定をうまく行い、プラスで乗り切って
いるようです。
インフレに対する見方は
デービットアイホーン氏が強く主張しているのは、FEDのインフレに
対する姿勢が甘すぎるということです。計算上のFRBの利上げの適正
水準は7%としており、現在の金融政策では追いつかないというのが
デービットアイホーンの見方のようです。
まとめ
デービット・アイホーン氏はかねてからインフレリスクを
唱えていましたが、彼が率いるグリーンキャピタルのパフォーマンス
をみると、S&P500がマイナス4%のパフォーマンスだった
一方でで彼のファンドは、プラス4%、そしてマクロのロングショート
でこの第1四半期にパフォーマンスをあげているようです。
かねてから、FRBの利上げのテンポの遅さに警鐘をならして
きましたが、ここにきて市場は、とくに米国債利回りの頭打ちの
ような動きも出てきており、今後の展開が注目されるところです。
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