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ブレークイーブンインフレ率(BEI)とは?TIPSとの関係と現在市場が示唆していることは!?

BEIが上昇し続けています。BEIとは、市場が予想する期待インフレ率のこと

ですが。BEI(Break Even Inflation rate)とも呼ばれます。

市場では、インフレ期待値が18カ月ぶりの高値を記録しています。

すべての国庫短期証券の満期におけるインフレ期待は、過去のサイクル

のなかでもっとも高いところにあります。

この背景として、米国政府が9,080億ドルの超党派の景気刺激策

の期待が高まっていることと、12日後の次回会合でFRBが何らかの

追加緩和を行うとの期待が広がっていることが背景のようです。

そこで、今回はこのブレークイーブンインフレ率とはなにか、

そして、それと関係するTIPS(物価連動国債)について調べてみました。

ブレークイーブンインフレ率(BEI)とはなに?

BEIとは、一般的に10年利付債の流通利回りから10年物価連動債の

流通利回りを差し引いた値を指します。ブレークイーブンインフレ率が

プラスで推移しているときは、市場は物価が上昇すると予測しており、

マイナスで推移しているときは物価が低下すると予測していることを示します。

そしてこのBEIが過去に見ないほどの上昇を続けているのです。

TIPS(物価連動国債)とは

TIPSはTreasury Inflation-Protected Securitiesの略称で、日本語では、

米国物価連動国債と訳されます。なお、Treasuriesは米国の財務省証券、

つまり米国国債の総称です。また、米国の長期国債をTreasury bonds、

中期国債をTreasury notes、短期国債をTreasury billsといいます。

TIPSはこの米国の国債の一つで元本が消費者物価指数の動きに連動して

増減する国債です。このTIPSの価格の動きは、インフレになれば元金が増加し、

デフレになれば元金が減少します。利払いは年2回行なわれ、

利率は発行時に固定されています。したがって、インフレにより元金が

増加していれば、利払いも増加し、デフレにより元金が減少すれば、

利払いも減少します。このため、TIPSを含む物価連動国債は、

インフレリスクをヘッジできる投資商品として注目されていますが、一方で、

物価が下落した場合には、その下落率に応じて元金額や利払い額が減少する

というデメリットもあります。

現在の市場をとりまいている状況は

上記で述べた要因で、現在はインフレへの期待が高まっています。

しかし一方で、インフレ期待に失望の余地があるため、インフレ期待には

短期的にはリスクも伴っていますが、下記のような長期的な要因と懸念が

市場を占有しているようです。

それらの要因として

・脱グローバリゼーション

・大規模な双子経常収支と財政赤字の圧力が続く可能性がある米ドル

・米国の石油生産がピークに達したか、少なくとも前のサイクルのように

成長しない可能性

・グリーン輸送・発電動向の加速による原材料(特に非金属)のインフレ

・財政出動によるインフレ

株式市場で顕著となっているのは、循環型株とディフェンシブ株を

アウトパフォーマンスしています。次のチャートでは、素材セクターと

消費財セクターを比較し(赤線)、10年のインフレ期待値(青線)を

重ね合わせています。下のパネルは、2つのシリーズ間の

相関関係を緑で表示しています。BEIが高進していますが、

材料関連の消費関連に占める割合も高まっています。

一方で、循環性は価値とは一致していないようです。

ここでの相関関係は、あまりないようです。


成長株のインデックと実際のバリューと比べてみると、明らかに

乖離が生じています。これをみると、期待先行となっていることが

わかります。

まとめ

現在は、明らかにインフレ期待が過熱しているといっていいほど

高まっているようです。BEIは過去の高水準のポイントを抜けよう

としており、さらに、インフレ期待率が高まっています。

ただ、現状をみると、経済のファンダメンタルズというよりも

コロナ対策による、財政出動とFRBによる資産の買取と流動性供給

が未曾有となっていることから、ドルの下落予想と同時に

国債への需要が減ることによる悪い金利上昇をも見据えた上昇

となっているようです。

インフレとなれば、株式、とくに成長株といわれるセクターに

資金が集まるのは、現在の市場が物語っていますが、あまりにも

この見方が集中しているリスクも一方で気にしておく必要

があると思います。

物価連動債(TIPS)はなぜ今米国で注目されるのか?

プロフィール


Yoshi

こんにちは、Yoshiと申します。
約20年に及ぶ外資系銀行でのトレード経験を活かして金融情報を独自の視点で発信しています。FX市場に携わって約20年経ちますが、現在は他の金融市場(株式、コモディティ、暗号通貨)の関連性を含めて独自目線で情報提供しています。
主な資格:
米国公認会計士合格(ワシントン州)
お仕事依頼などの連絡先:
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