ブリッジウォーターのレイダリオ氏といえば、ヘッジファンド界

の神様と言われる人物です。

数々の成功をおさめてきたレイダリオ氏ですが、投資の世界とは

ある意味別の世界ともいえる仮想通貨、とくにビットコインについて

どのような見解をもっているのか気になるところです。

そのブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、

わざわざ公式にビットコイン等暗号資産に対する見解を公表しているので

その内容について紹介してみたいと思います。

レイダリオ氏のビットコインに対する見解は

ビットコインはたいへんな発明だ。

コンピューターにプログラムされたシステムにより新たなお金の

類型として発明され、10年ほども使われ、お金と富の保蔵手段の

両方として急速に人気を得たのはすごい成果であると、すなおに

ビットコインについて評価しています。

レイダリオ氏は自社サイトで、ビットコイン等暗号資産に対する見解を公表して

いますが、称賛の言葉も並ぶ一方、「錬金術」といった言葉に象徴されるように

聊か否定的な面の意見ももっているようです。。

レイダリオ氏はキャッシュに対しては常に否定的

ダリオ氏は1年ほど前有名な「現金はゴミ」発言をした際、ビットコイン

についても明確に否定的な見解をだしていました。

ビットコインの欠点として、ボラティリティが高すぎ、交換の手段についても

疑問があるとの意見でした。

ところがその後、その意見は変わってきているようです。

ビットコインは、価値の保蔵手段の選択肢として、分散手段として、

利用可能との意見に変わってきています。

しかし、ビットコインのボラティリティは相変わらず、

不安定なままです。

ボラティリティは昨年第4四半期から大きくなっているから、価値の

保蔵手段にかかわる議論については一貫性がないとも言えます。

ボラティリティについては、あまり重要視しなくなったというのが

本当のところだと思います。レイダリオ氏は常日頃、分散投資を主張

していますが、その意味で、ビットコインもその対象としてありえる

との意見に変わってきているのです。

金に似た資産への需要が増えている今般、他に金に似た資産の選択肢は

存在しないのが、ビットコインに注目する背景になっているようです。

レイダリオ氏は公式ページのなかで、「私には、ビットコインは即座に

普及することのできない極めて投機的な概念から将来おそらく普及し価値を

持つものへと変化するのに成功したように思える」と語っています。

リスク分散（リスクヘッジではない）に役立つ資産クラスが見当たらなくなっている。

流動性相場が資産クラス間に正の相関を与えているためだ。

分散に使える資産クラスを発掘したい。

そこで、心配はあるものの、暗号資産に白羽の矢が立ったのだろう、という

意見をもっています。

「私の大きな疑問は、何のために使われ、需要がどれだけ生じるかである。

供給量が知られているため、価格を推計するには需要を推計する必要がある。」

ただ、供給量については、仮想通貨全体でみれば、ある意味無限大です。

よく指摘されているとおり、ビットコインの供給量には上限があるが、

「デジタル通貨」全体で見れば上限はないのです。

さらにデジタル通貨間の競争があるのです。

ビットコインのデメリットは

 

ビットコインの機能は固定されているため進化できず、より良い選択肢が

発明されビットコインを追い抜いていくものが存在してくれば、その価値も

変わってしまうリスクもあります。

また、レイダリオ氏は暗号資産のセキュリティについても全幅の信頼を

寄せているわけではないようです。

レイダリオの公式ページでセキュリティについて語っているのは、

国防省がシステムをハッキングから守れない今、デジタル資産がハッキング

されないと完全に安心するのは甘すぎる。これは金のような資産の利点の1つであり、

すべての金融資産のリスクの1つだ。

また、ビットコインの公開台帳にかかわるリスクにも触れています。

ビットコインの最大のリスクは成功を収めることだろう。

成功すれば、政府はビットコインを潰そうとし、政府には

それをやり遂げる力がある。

このビットコインのデメリットとして、各国政府・中央銀行は貨幣発行の

特権を手放すことはないことです。しかもビットコインの台帳が公開されている

のでなおさら介入が容易になるとの見方をしています。

まとめ

このように、レイダリオ氏はビットコインのいい面もデメリット両方をあげて

いてわかりにくいですが、結論は、ビットコインは極めて見通しにくい

未来に対するオプションのような存在だと位置づけいるようです。

ある意味、余裕のある人、すなわち80%程度の損を出してもいいと思える

投資家にとっては、オプションとして有用な投資対象であると、なんとも

分かりづらい結論となっています。