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VaRショックとは?2021年前半米国株式市場で起きている現象とは!?

2021年の株式市場は、年末にむけて下落し、恐怖心を示すVIX指数が

上昇したものの、その恐怖心に打ち勝つ貪欲さが続いたため、上昇する

展開が続いています。このような強い強気相場の間は、いつものように

投資家やトレーダーは、レバレッジをかけてきます。

実際に、数週間前には、ヘッジファンドのレバレッジの水準は

記録的な水準に達し、ロングオンリーの機関投資家の現金残高は

記録的な低水準となっています。

そんななかで、思い起こさなくてはならないのが、「VaRショック」という

現象です。

そこで、今回はこのVaRショックとはなにか、そして現在の株式市場に対する

投資家のスタンスについて調べてみました。

VaRショックとはなに?

この「VaRショック」ということばは、日本の国債市場で起きた

現象を指しているケースがあります。当時の長期金利は当時の過去最低である

0.430%から、2カ月で1%程度上昇しました。多くの金融機関は国債などに

投資する上でVaR(バリュー・アット・リスク)というリスク管理モデルを

活用していました。同モデルは相場の変動幅が拡大すると、保有可能額が

強制的に縮小します。このため、債券価格が一定の幅を超えて下落した

ことをきっかけに、売りが売りを呼ぶ展開となり、市場の混乱を招き

歴史的な暴落を引き起こしました。これがVaRショックといわれた

現象です。VaRとは、”Value at Risk(バリュー・アット・リスク)”の略であり、

日本語では「予想最大損失額」と訳されます。元は、金融機関が保有している

資産のリスクを評価するために考案されたものですが、今現在持っている資産を、

今後も一定期間保有し続けたとして、株価や金利などの変動(リスクファクター)に

さらされることで、どれくらい損失を被る可能性があるかを、過去のデータを

基に統計的に計測する手法です。なお、この過去のデータとは、過去の一定の観測期間

に遡って、その間に起きた価格推移のことを指します。多くの金融機関は、この指標で

もって、リスクの許容量をはかり、そしてポジションの許容量につなげて、管理している

体にしているところが多いのです。

ですから、この指標がある一定値に到達すると、トレーダーは強制的にポジションを

カットしなければならない現象に陥るのです。それがVaRショックといわれる

もとになっています。

現状の米国株市場での投資家が直面していることは

株式に投資する個人投資家は記録的な量のコール・オプションを購入し、

証拠金を積極的に利用しています。経済成長の改善、財政刺激策の拡大、

そしてFRBの継続的なマネー・プリンティングという見方が一般的で、

誰もが といっていいほど、その方向でもってます。一方でこれらのトレンドは

一般的に、脱線するか、あるいは単に疲弊するまで、その道を進む傾向が

あります。しかし、このような自己満足は、今のところは安全だと感じていても、

市場のリスクを高めることにもつながります。これは、恐怖心が横行し、投資の

リスクが実際には非常に低かった昨年3月の鏡像です。このような皮肉は、投資の

基本的なルールの一つである「安く買って高く売る」ということにつながっています。

これは簡単なことのように思えますが、多くの投資家、特にプロの資産運用会社は、

頻繁に市場にマークを付け、顧客にパフォーマンスを説明しなければならないため、

このルールを守り続けることは困難です。

個人投資家の動きは

一方、個人投資家は、自分以外の誰にも相談する必要がありません。さらに、

現在は新しいタイプの個人投資家が出現しています。政府からの自由な資金、手元に

余裕のある時間、安くて簡単に市場にアクセスできるようになり、積極的に

ポジションをとるようになっています。それが原因で先月、「プロ」に大混乱をもたらし、

レバレッジは両方向に切れることを再認識しました。先月起きた、一連のGameStopなどの

小売主導のショートスクイーズは、ヘッジファンドによる大幅なレバレッジを落とすオペレーション

を余儀なくされ、主要な指数は3-5%の下落を余儀なくされました。

一方では、景気刺激策のカギを握る数人のデイトレーダーが市場に

このような混乱を引き起こす可能性があるという事実は、金融市場に埋め込まれた

過剰なレバレッジと双方向のリスクの欠如を象徴しているので、ある意味危険な状況に

なっています。しかし先週の株式市場が大暴騰したことで、再び欲が恐怖心を上回り、

強気相場が本格的に再開する準備が整ったように見えます。

2週間前のようなVARショックが成長加速期に発生した場合、そのショックは

最小限に収まるとの傾向がでているようです。

成長加速局面とは、ISM指数が52を超えている期間と定義されています。ISMが

60に近づいているので、1月のドローダウンの迅速な解消は理にかなっているようです。

特にコロナ救済法案の大型版の成立の可能性が高まっているなか、1月のドローダウンの

解消は理にかなっているような市場の動きとなっています。

VaRショックが起こりやす状況とは

金融市場の参加者がオーバーレバレッジで恐怖心がない場合には、VARショックが

起こりやすいといえます。投資家は、サイクルの初期から中期に移行し、バックエンド金利が

上昇する中においては、株式のボラティリティが上昇し続けることを注意しておく

必要があると思われます。これは通常のことであり、昨年秋以降の米国株式市場のシナリオ

(予想を上回る収益はあったが、P/E倍率は低下)と一致する現象です。

S&P500のような主要インデクスにとっては、先月経験したように、ボラティリティが

高く、リターンは横ばいか小幅なものになる可能性が高いです。

ベータよりもアルファーにリスクとる理由は

ベータというのは、おおざっぱにいえば、S&P500のような、

インデックスの動向にリスクをとることを指します。一方でアルファとは

個別の株式によってポジションを取るということで使われます。よく言われる

株式のロング・ショートとというのは、アルファとして用いられます。

現在は、景気回復の初期段階にあり、勢いを増している強気の市場であることに

変わりはありません。これは大きなリターンがインデックスレベルではなく、

水面下にとどまっていることを意味しており、11月初旬以降、私たちが目にしてきた

ことはまさにその通りです。

まとめ

ワクチンが配布され、通常の活動が再開され、経済的な背景が改善して

いく中で、最もアップサイドのある銘柄を持つというのは、

ある意味理にかなっているようです。

そのような銘柄としては、銀行、素材、工業、消費者などの景気循環を促進する

セクターの銘柄が挙げられます。逆に、ディフェンシブな銘柄や、経済の再開に

伴い消費者の財布の動きに影響を受けやすい銘柄は、予想される倍率の圧縮を相殺するだけの

収益アップサイドが得られない可能性が高く、避けた方がいいかもしれません

という意味で、投資家は、引き続き株式市場で、アルファのポジションを取り続ける

可能性が高いと思われます。

 

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プロフィール


Yoshi

こんにちは、Yoshiと申します。
約20年に及ぶ外資系銀行でのトレード経験を活かして金融情報を独自の視点で発信しています。FX市場に携わって約20年経ちますが、現在は他の金融市場(株式、コモディティ、暗号通貨)の関連性を含めて独自目線で情報提供しています。
主な資格:
米国公認会計士合格(ワシントン州)
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