ベア・トラップ・レポートが警告する歴史的な「コブラ効果」とはなに?
私たちは今、経済史上最大のコブラ効果の初期段階にあると考えています。
デフレ不況から経済を救うために、大規模な金融・財政刺激(世界で1,500億ドル以上)
が組み合わされると、代わりにハイパーインフレ(商品の重量オーバー)の危険性が出てくる。”
人間の爆発的なエネルギーが檻の中から飛び出してきて、多くの街角でワクチン接種が
行われています。私たちにとって、これは地球上で何が起ころうとしているのかを予見する
ものであり、「コブラ効果」は4回目に突入しています。政府が資本市場に手を加えると、
必ず意図しない結果が生じます。2020年第1四半期から第4四半期に起こったことは、
軽視してはいけないことを、何よりも心に留めておかなければならないと
思われます。
「コブラ効果」とはなに?
コブラ効果とは、ある目的にとった対策、対応が
予期もせぬ別の方向の現象、結果があらわれて
しまうことを示します。
現状にといては、予期もしないような、インフレが
出現することだと思われます。
世界的に財政・金融政策がかつてない規模で発動され、
巨大な官民合同の実験を経験している最中です。
ベア・トラップ・レポートが警告するシナリオは
ベアトラップレポートが主張しているのは、2021年から2022年にかけての
景気回復は、2009年から2010年にかけてのようなものになるだろうと考えるのは
間違いだということです。
1年前、リフレ・トレードを展開されたとき、インフレ・エンジンは
一部のサプライチェーンの混乱に限られていました。しかし現在では、
複数のインフレ指数が顕著となりはじめています。
まず、雇用状況を劇的に変化していることをあげています。
金曜日に発表された雇用コスト指数(ECI)は単なる前兆であり、
本格的な衝撃は今後数ヶ月間のCPI(平均時給)データにあらわれてきます。
今回の雇用統計でECI(雇用コスト指数)の急上昇した起因は
、賃金・給与が1.0%上昇したことによるものです。
これが今後3四半期にわたって繰り返されれば、第4四半期には
前年同期比が4.1%に達する見通しをもっています。
第1四半期のECI賃金・給与は、職種別(構成比の偏りが少ない)
に4.0%SAARで上昇ています。コアPCE(個人消費支出)インフレ率は
前月比0.4%上昇、過去3ヶ月間では2.6%上昇しました。
景気刺激策がうたれている状況で、なぜPCEが上昇するのか?
これは、原材料に対する世界の需要がいかに強く、供給がいかに
逼迫しているかを示しています。
2018年2月のナスダック100の13%のドローダウンを引き起こし、
XIVショート・ボラティリティーETFを撤退に追い込んだのは、
過熱気味のAHE(前月の平均時間当たり賃金公表値)データだったことを
覚えておく必要があります。
ESG投資が活発化されるなかで、インフレの副作用が商品市場(石油、ガス、銅)に
にじみ出ており、農業においても、インフレ兆候がこれほど強くなったことは
今までないです。
第2四半期の実質GDPは、前期比年率12%のペースで推移しており、第1四半期の
約2倍となっています。毎週の税務データ、毎週の鉄道輸送量、毎月の地域別製造業指数は
すべて急上昇しており、インフレリスクは過去10年間で最も高くなっています。
まとめ
これまで私たちが目にしてきたインフレ・リフレーションの力は、すべて供給主導型の
ものですが、ワクチン接種がほぼ全世代に到達したときの本物のインフレは
まだ見ていません。そのリスクとして、ハイテクとナスダックはネガティブ要因
となるとこのレポートは見ているようです。サプライチェーンは混乱しており、
民間企業の足を引っ張ることで労働力不足が爆発し、商品インフレは新たな局面を迎え、
SPX全体のマージン圧力は指数関数的に高まっています。
FRBはハト派的な姿勢を貫いていますが、これは上記の「コブラ効果」の
結果をすべて悪化させるだけで、当レポートでは、ナスダックショート、商品ロング
のスタンスを維持しているようです。
このインフレがさらなる脅威となったとき、ハイテク株は打ちのめされる
との見通しをもっているようです。