リスク・アペタイト・インデックス(RAI)とは?ゴールドマンが現状のユーフォリアを警鐘する理由は!
ここ数ヶ月の米国株式市場の動きは、前代未聞の市場の楽観主義や、
陶酔状態に覆われている期間です。
しかし、最近では、ドットコムバブルの飽くなき
買い煽りの結果、陶酔感の指数が上限に達している状況です。
その指数を表すひとつが、リスク・アペタイト・インデックス(RAI)
ですが、今回は現在の株式市場のRAIについて調べて
みました。
リスク・アペタイト・インデックス(RAI)とは?
RAIは、リスク・アペタイト・インデックスの略で、投資家の
リスク選好度合を測るために世界各国の様々な金融データ
(VIX指数、ハイ・イールド・ボンドの動きなど)を独自の手法で
組み合わせて算出したものです。
直訳すると、市場がどれだけ、リスクに対して貪欲になっているのか、
別の言い方をすれば、陶酔感に浸っているのか、指数で
推しはかるものです。
現在の市場の陶酔状態は
2021年の第1週は、過去の推移からみても
陶酔状態を示している上限から外れた状態です。
シティバンクの最新のパニック/ユーフォリア・モデルは、
前週の1.69から1.83へと上昇し、記録的な数値を記録しました。
最新のゴールドマン・ポートフォリオ・リサーチ戦略レポートの中で、
ゴールドマンのリスク選好度指標(RAI)が今週最高値に達したと
書いています-昨年の第4四半期以降、リスク選好度が大幅に上昇した後、
4年間で最も高く、史上最高値を更新しました。
RAIが高い理由は
なぜこのような高い数値になったのかといえば、
ゴールドマンによると、これは主に2021年の成長楽観論を
背景にしたものであり、同行は金融政策が引き続き
サポートすることを期待しています。
ゴールドマンがここからは警鐘する背景は
ここから先は、よりポジティブな衝動に駆られる可能性が低くなると
みているからです。11月にCOVID-19ワクチンが成功したという
ニュースを受けて、第4四半期以降、市場がリフレの見通しを
より楽観視するようになったことから、成長楽観論からさらに
プラスの領域にシフトしているようです。
この時点で、ゴールドマンは、「RAIが1に近いレベルからは、
リスクを追加したばあいに、ネガティブ材料に反応しやすく
なると分析しています。特に短期的には、よりネガティブに
偏る傾向があり、ドローダウンのリスクが増加する
と警告しています。
さらに、現在のRAIレベルでは、金融・財政政策の失望や
COVID-19のネガティブなニュースなど、短期的には
ネガティブな成長ショックや金利ショックに対して市場は
より脆弱である、と分析しています。今後数ヶ月間のリスク選好の
主な要因は、成長率とリフレ心理である可能性が高く、実際金融政策から
の追加的ポジティブな驚きは期待できないようです。
まとめ
とはいえ、ゴールドマンはまだ顧客に売りを推奨している
わけではなさそうです。なぜならば、マクロ的背景が支持的で
ある限り、リスク選好度は長期にわたって高いレベルに
とどまる可能性がある、としているからです。
問題は、ここでの正しい動きは売りかもしれませんが、
問題はいつ売却するかということです。それでも、
これから当面することが、決して楽観的なものではない
ことを否定することはできないというのが、結論です。
結論としては、RAIが0.9以上で、それが0.75以下に
正常化するまで、戦術的にはリスクを減らす良い時期である
というのが、結論のようです。