VIX指数のチャートから見える長期にわたる売り持ちポジションが為替ドルに与える影響は?
この数週間で、金融市場の投機的なポジションは一方方向
へ傾いており、ほとんどの投機筋が同じボートに乗っている
ようでした。すなわち、予想だにしないリスクオフの展開に
は無防備で、株式市場が新高値を超えていたことで、楽観
指数は最高潮に達していたのです。
ところが10月になり、相場は一転してきました。
VIX指数のショートポジションの歴史的な巻き戻し
が起きているのです。
歴史的なVIX指数のショートスクイーズ現象
グラフは、VIXのネットポジションの集積と
そのポジションの巻き戻しを示しているグラフ
です。
今回起きた巻き戻しの規模は、ブレグジット以降
2番目の規模の巻き戻しがおきていることが
わかります。
これだけ、楽観視していた投機筋が多かったことに
なりますが、この思惑が崩れたことで他の市場にも
影響がでています。
VIX指数のショートカバーに影響を受けている市場は
この予期もしなかったVIX指数の上昇、すなわち
株式市場が急落したことで影響を受けているのが
上記のグラフのように、金と銅価格の下落と
米国債利回りも、上昇にブレーキがかかりはじめて
います。これが意味していることはリスクオフの
市場にシフトしていることです。
先月はS&P500が史上最高値を更新して市場への
楽観論が充満し、その結果として、恐怖指数である
VIX指数の売り持ちポジションが歴史的推移まで
達していたのです。それが上記のような、巻き戻し
に合うと、投機筋の収益環境自体が痛んでいることに
なります。そうなると他にも同じようなポジションが
痛んでいることが考えらます。
その一つが米国債に対するショートポジションです。
すなわち、アメリカの国債利回りが上昇していくことに
ベットした投機筋のポジションが過去にも類を見ない
くらいの水準にまで達しているのです。
そのポジションの巻き戻しが米国債のポジションに
も起きているのです。
VIXのショートカバーが為替に与える影響は
同様に市場への楽観的な見方が歴史的推移
まで上昇していたなか、為替ドル対するポジション
歴史的推移まで達しています。
すなわち、投機筋のドルの買い持ちポジション
高水準に達しているのです。これは上記に述べた
米国債利回りの上昇に対してベットしている投機筋
がほとんどとなっていることと連結し、米国金利が
上昇していけば、ドル連動して上昇していくであろう
と思っている投機筋のポジションが集積しすぎている
状態となっているこです。
先週、VIX指数が過去にないくらいの大幅な巻き戻し
にあったことで、米国債、為替のドルの見方にも
疑問が出てきているようです。
すなわち、米国債価格に対するショートと為替ドル対する
ロングポジションが歴史的水準まで達し、どうもそのポジション
が機能しなくなってきているという疑念が投機筋のあいだ
広がっているようです。
個人的には為替ドル円相場への影響は、やはりすでにたまりにたまって
いるドルロングポジションの調整が訪れる可能性が高いと思って
います。