
USDCNHが大幅下落して広がる憶測と今後の見通しは
先週、中国元は、ドルに対して昨年12月につけた安値まで
著しく低下しました。それによって中国が米国の関税政策や
貿易の脅威と戦うために自国通貨安を使うのではないかと
いう憶測が広がっています。
USDCNHが下落した背景は
中国は、商品を安くするために通貨を意図的に抑え、
通貨の強い国よりも商品を魅力的にしていることで
米国政府の批判を受けてきました。今年のトランプ政権は、
中国を「通貨マニピュレーター」と呼ぶことをやめています。
そして、中国元は実際には年間を通して、かなり安定してきました。
しかしながら、予想されているドルの一般的な強さを考慮すると、
中国政府は中国人民元に対してドルが上昇していることを
妨げようとする可能性があります。
中国がさらに積極的に人民元を押し下げようとするだろうとの
噂が広がっています。
市場で広がっているドル人民元の見通しは
人民元は、コントロールされています。中国政府は貿易から
乖離しないようにバンドで取引を採用しています。現在目にしていることは、
投機筋が人民元安を狙ってバンドの上限のポジションをとって
いることです。 この貿易戦争が高まっているなかで
市場は何かを予期していると思うし、もしこの状況が過熱すれば、
政府は対抗政策を打ち出してくるだろうとの見方が増えています。
人民元安の問題点
しかし、中国人民元の切り下げにたいしてもう一つの
新興市場側面の問題があります。中国企業や地方自治体が
借りているドルはすべて、ドルの上昇に伴って返済することが
非常に困難になるという問題です。中国が抱えている
数千兆ドルの規模を誇っている経済にとって、1000億ドルの債務は
管理できないわけではないが、今後の人民元の動きによっては
他の新興国に対して、多くの問題を引き起こす可能性があります。