トルコリラ円(TRY/JPY)は底を打った?エーパル新総裁への期待と2021年に向けての見通しは
トルコリラが、11月に入り上昇に転じています。
上昇の値幅もここ半年の間ではなかった幅で上昇して
いるので、これは、本物か!と期待してしまいますが
現在トルコ資産の上昇の理由と今後の見通しについて
ファンでメンタルズとテクニカルの両側面から
調べてみたいと思います。
現在のトルコリラ上昇の理由は
エルドアン大統領が新たな中央銀行総裁と財務相への
支持を表明したことが、直接的な要因となっているようです。
市場が求めていた大幅な利上げが実現する可能性が示唆された
からです。トルコ中銀のアーバル新総裁は、19日に開かられ
ますが、これは初めての金融政策委員会で、ここでアーパル新総裁
のスタンスが見ることができます。
トルコリラ円のテクニカル分析は
↑のチャートは、トルコリラ円の6月からの動きですが
見てわかるとおり、この数日の上昇は、今までになかった
上昇幅です。1日の情報幅がこれだけ大きいことは、いったん
は下降トレンドが終焉したのか?と期待したくなります。
テクニカル的には、あるトレンドの終焉時には、大きな値幅
、すなわち下降トレンドでは、大きな陽線のリバウンド、
上昇トレンドでは、大きな陰線が現れます。
たとえば、上昇局面のチャートとしてわかりやすいのが
S&P500の動きです。
S&P500はずっと上昇トレンドでしたが、今年の3月に訪れた
大きな陰線、そしてその後は大きな下落へと転じています。
また、その後再び大きな上昇基調にはいったのですが、底では
値幅の大きい陽線が現れています。
単にテクニカル的にみた場合、今回のトルコリラ円もずっと
下降トレンドを形成していた経緯もあり、調整する可能性
も多いにあると思われます。
ただ、気をつけないといけないのは、過去のパターンで
よく見られるのは、最初のリバウンドから再び底値を試す
動きがよく見られます。ということは、トルコリラ円も
2番底を形成したことを確認してから、買いの機会をさぐる
ことが賢明のような気がします。
トルコリラ、エーパル新総裁への期待は!?
今回トルコリラが上昇した要因として、アーパル新総裁への
期待があります。そしてその期待は、初の金融政策委員会で
その信頼性が試されることになると思われます。
エルドアン大統領は干渉しない姿勢を示しているので
どのような大胆な施策(利上げ)をしかけてくるのか
注目です。エルドアン大統領は週末にウイサル前中銀総裁を更迭し
今週に入り、義理の息子で8日に突然辞任したアルバイラク前財務相の
後任として、エルバン元副首相を指名しています。
中銀総裁更迭と財務相辞任受け、大統領は11日、議会で与党議員に対し、
アーバル、エルバン両氏はインフレ抑制に向け「透明かつ予測可能な」政策
を推進していくと説明し、「両氏が講じるあらゆる措置を支持する」と
述べています。ということは、トルコでも中央銀行の独立性が担保された
ことになるのか、次の政策決定会合が注目されます。
まとめ~2021年に向けてもトルコリラ円の見通しは
リラは対ドルで上昇し、10月26日以来初めて1ドル=7リラ台を付ける
リラ高水準となっています。トルコ株の指標であるイスタンブール100種指数も
大幅高となっています。とういことは、ファンダメンタルズ的にも今まで
と違って、トルコリラが上昇する理由が増えてきたといえます。
2021年に向けての見通しとしては、2018年のときのように
(約5円の上昇)も来年にむけて調整的に買われる可能性が高いと
思っております。