
ドイチェバンクによる2020年11月と年間グローバル金融アセット毎のトータルリターンランキングは!
2020年11月の世界の金融市場を振り返ってみると、
コロナ禍にあるにもかかわらず、活況を呈した月となり
また、2020年の年間をみても、金融資産にとっては
ポジティブな年となっています。
ドイツ銀行のヘンリー・アレン氏によると、11月は金融市場に
とって素晴らしい月だったとのことで、ドイツ銀行のサンプルアセット
3通貨に関係のない資産38のうち34が上昇し、そのうち27が年間ベースでも
上昇しました。その主なきっかけとなったのは、ここ数週間に
発表された3つのワクチン候補の結果が発表され、有効性の数値が
予想の上限に達したという、信じられないほどポジティブな
ニュースに反応したものでした。
そこで、今回は、2020年の11月までの年間と単月の金融資産の
リターンのランキングを紹介してみたいと思います。
2020年11月の金融資産リターンランキングは
ワクチンのニュースは、社会がより永続的にウイルスと共存していく懸念を
和らげるのに役立ちました 。 これまでのところ、 わずか1ヶ月前に予想されていたよりも
はるかに早く正常に戻るという期待感がでています。
上記のテーブルを見ると、11月はリスク資産がリードし、STOXX 600銀行(30.2%増)、
ギリシャのアテックス(29.4%増)、ブレント原油(27.0%増)が現地通貨ベースで
最も強いパフォーマンスを示しました。好調に推移したもう一つの資産はビットコインで、
前月比39.9%増と、10月の29.4%増に続く上昇となりました。一方、STOXX 600は13.7%上昇し、
価格ベースでは過去最高の月間パフォーマンスを記録しました。
リスクのアウトパフォーマン スは複数の資産クラスで見られ、信用取引ではHY、
FXではEM通貨、株式では南欧の指数がリードしています。一方で、リスクアセットが選好されたことで、
金(5.4%減)と銀(4.3%減)はサンプルの中で月次パフォーマンスが最悪となり、
金は4年間で最悪の月次パフォーマンスを記録しました。
2020年年間の資産リターンランキングは
11月の貴金属のリターンが悪かったことから、ナスダックが
年初来のトータルリターンベースで+37.2%の上昇を記録し、DBの
年間リターンの牽引役となっています。実際、ナスダックの2020年の
強さは、2010年代全体のサンプルの中でトップパフォーマーで
あったことから、長年にわたって顕著な強さを示し続けています。
11月だけみれば、ナスダックは相対的に他資産に比べると
アウトパフォーマーではありませんでしたが、年間でみると力強い
パフォーンマンスを維持していることがわかります。
一方でブレント原油(マイナス27.9%)は10月に引き続きサンプルの
最下位に位置しており、パンデミックの影響で世界的な経済需要が低迷し、
人々が積極的に動きを抑えようとする中、最悪の資産の一つとなっています。
クレジットでは、IGは欧米ともにHYをアウトパフォームしており、
FX市場ではEM通貨が最悪のパフォーマンスとなっています。
まとめ
このようにドイチェバンクの資産サンプルからみても
2020年のパフォーマンスの傾向ははっきりしており、
年間を通して、ナスダック、金、銀そしてビットコインと
いった資産がアウトパフォームしていることがわかります。
月ベースみれば、それぞれの資産の動きに乱高下があるものの
11月をとってみれば、リスク選好の動きが強かっただけに
金価格は反落しています。