TLTROの延長をしないECB理事会と今月利上げ確実の米国でユーロドルはどうなる?
ドラギ総裁は今回のECB理事会で
で質疑応答で打ち出したタカ派的なメッセージを
強調する形で、銀行向けに低金利で資金を貸し出す
TLTRO長期資金供給オペの延長は話し合わなかった
とも述べました。TLTROはデフレ回避へ向けた1
4年半ばからのECBの取り組みで大きな役割を果たして
きました。3月23日の入札でプログラムが終了すれば、
刺激策の縮小を意味することになります。
現状スタンスも声明文で維持
年初から景気回復が勢いを増しているように見受けられ、
インフレも4年ぶりに目標を上回る中、一部ではECB理事会
が金利の現行水準維持もしくは引き下げの文言、さらには経済見通しが
弱まりそうなら債券買い入れを拡大するとの約束をも削除しかねない
との憶測もありましたが公表された声明とその後にドラギ総裁が
会見冒頭で読み上げた原稿ではそのどちらも削除されていませんでした。
タカ派と受け止められる理由は
ドラギ総裁会見のなかで「さらなる行動に出る切迫感はもはやない」
という総裁の発言と、会見冒頭で総裁が読み上げた声明から
「責務の範囲内で利用可能なあらゆる手段を用いて行動する用意がある」
との従来の文言が削除されていたことで、今後は緩和スタンスの
脱却にむけて舵をきったとの見方もでています。
米国の利上げは確実でユーロドルの展開は
昨日のアメリカの雇用統計から今月のアメリカの
利上げは確実となりました。
一方で欧州は大きな政治イベントも控えており
ECBが慎重になる理由もありますが、市場への不安感
が薄れてくれば、緩和スタンスからの脱却を図ろうとする
雰囲気もドラギ総裁の発言から伝わってきます。
↓がECB理事会から米国の雇用統計発表後のユーロドル
の動きです。
雇用統計の数字が強く、今月の利上げが確実視のなった
後のユーロドルの反応はユーロが上昇しています。
これはすでに織り込み済みだからということもありますが
今後のユーロのショートカバーの前哨戦なのかも
しれません。