イールドカーブ・インバージョン(逆イールドカーブ)とS&P500の動きの関連性は!
イールドカーブのインバージョンが発生していますが
マーケットは、あまり取り上げていないようです。
その背景としては、ロシアのウクライナ侵攻による影響
とインフレに対する注目がほぼマーケットを占めて
いて、この逆イールドカーブ発生につちては、派生的な
現象として受け止められているようです。
イールドカーブ・インバージョンの話題は、まるで悪い
イールドカーブ・インバージョンの発生時は
“2019年8月の反転を見よ。1年半後にリセッションは起きた。しかし、
それは世界的なパンデミックによって引き起こされたもので、
債券市場は到底予見も予測もできないものでした。
リセッションはそのわずか6ヶ月後に起こったので、それは正確ではない。
さらに、FRBがヘッジファンドを救済するために大規模な現先オペを
行っていたため、債券市場は経済的に何か大きな問題が
あることを認識していた。
その当時景気を後退させるのに必要なのは「予期せぬ外生的な出来事」
だけでした。その事象がパンデミックであることが判明しました。
注目すべきは、何らかの理由で心理が変化すると、「リスクオン」から
「リスクオフ」への回転が起こり、国債が「安全の貯蔵庫」として
認識されます。歴史的に見ても、市場の危機的な出来事の際には、
常にそのようなことが起きています。
今回も債券市場からのメッセージは見逃せなく、一方で
債券はその予測性が不可欠であり、アナリストは
米国国債、特にその金利差に多大な関心を寄せています。
イールドカーブ・インバージョンは、経済、株式、債券市場の長期的な
方向性と歴史的に高い相関性を持っています。
原油価格の変動、貿易摩擦、政情不安、ドル高、信用リスク、収益力など、
あらゆるものが債券市場に反映され、最終的にはイールドカーブに
反映されるからです。
(出典:Zerohedge)
イールドカーブの反転について、メディアはいつも、反転後すぐに
不況にならなかったから、今回は違うという前提で報道しているようです。
(出典:ZeroHedge)
逆イールドカーブ発生への反応は
全米経済研究所(NBER)は、リセッションの時期を決める公式な
機関です。彼らは、経済分析局(BEA)によるデータの修正を待って、
リセッションの正式な開始を発表しています。
NBERは常に景気後退の開始を6-12ヶ月遅らせることに
なるとしています。
不況を示すのはイールドカーブの反転ではなく、反転は
「警告のサイン」であり、反転しないことが不況の始まりであり、
NBERはそれを後で認識するという、タイムギャップがあります。
BTFD Or STFR “で述べたように、NBERの公式発表を待って
景気後退を確認するのでは遅すぎるのである。つまり
これらの点はそれぞれ、景気後退が始まる前の市場のピークと
なっています。
逆イールドカーブとS&P500の関連性は
Yield Curve Inversions & Media's Denial Of History https://t.co/s0uB0ILjzN
— zerohedge (@zerohedge) April 2, 2022
10例中9例で、S&P500はリセッションが認識される前に
ピークをつけ、下げに転じています。
多数のイールドスプレッドがマイナスに転じると、メディアは
景気後退のリスクを割り引いて、イールドカーブが今回は
間違っていると示唆する傾向にあります。しかし、債券市場は
すでに経済成長の鈍化、収益リスク、バリュエーションの上昇、
金融支援の後退を織り込んでいます。
歴史的に見ると、イールドカーブの50%以上が反転すると不況に
なっています。
最終的に投資家を失望させることになる、最新の提案された
行動とは、次のようなものです。
2019年3月、JPモルガンのマーク・コラノビッチ氏はこう述べています。
“歴史的に、株式市場は反転後の数ヶ月と数四半期に最も強いリターンを
生み出す傾向がある。S&P500のリターンが平均を下回るのは、
30ヶ月後だけである。”
12ヶ月後、市場は35%下落し、経済は「大恐慌」以来の深刻な不況に陥って
います。
イールドカーブは、投資家が無視できないメッセージを発している。さらに、
“リスクベース “の投資家が早急に行動を起こす可能性が高いということです。
もちろん、流動性の収縮が下落を招き、結局は景気の収縮を悪化させることに
なります。
反対のコメントもありますが、イールドカーブは、「遅行性」で大幅な
修正に左右される経済データとは対照的に、現在経済で何が起きているかを
示す「先行指標」なのです。
さらに重要なことは、現在、消費者は成長を支え続けているかもしれないが、
雇用が失われ始めると、その状況は劇的に変化しうるし、今後も
変化し続けるということです。消費者は気まぐれな生き物であり、
心理に変化が生じれば、それは非常に急速に起こるのです。
https://www.zerohedge.com/markets/yield-curve-inversions-medias-denial-history
まとめ
イールドカーブを「マーケット・タイミング」の道具として使うのは
賢明ではないかもしれませんが、イールドカーブが現在発しているメッセージを
完全に否定するのも同様に愚かであることが歴史的にみて
わかります。