Fedリバース・レポ・ファシリティとは?最近のMMF流入超過との関係は!
昨今、米国MMFへの資金が大幅に流入している中
でFedリバースレポファシリティの残高が減少
しています。
そこで、Fedリバースレポについて、そしてMMFとの
関連性について調べてみました。
Fedリバース・レポとは?
中央銀行の量的金融緩和・QEに政策によって
巨額の準備預金が存在し、翌日物金利にはつねに
大幅な低下圧力が生じるので、FRBはリバース・レポに
よって資金を吸収することで、政策金利を誘導目標に
収めているのが現状です。
ただし、この巨額の準備預金のうち、市中銀行
の準備預金については(現状は、リバース・レポ金利よりも
0.1%高い水準で)付利がなされていますので、
市中銀行が持つ分は市中銀行準備預金として残り、
リバース・レポでは吸収されません。
FedリバースレポとMMFとの関連は
ドル余りのリバース・レポは誰から吸収しているのか
といえば、それは「顧客から預金を預からないために
準備預金に付利されない主体」である MMFや
政府支援機関(GSEs)、海外中銀などが資金を供給
しています。
実際FRBのリバース・レポへの運用残高の大部分はMMFによるものです。
MMFは家計や企業による預金の引き出しとMMFへの移し替え
によって資金を集めています。
市中銀行にとってみると、顧客預金が減少しますが、
準備預金は潤沢にあるため、準備預金の減少に任せる
ことになります。
MMFに資金が集まる理由は
家計や企業は預金を引き出し、MMFに資金を移す理由の
ひとつは、MMFのほうが預金よりも高い金利を提供するためです。
【銀行が保有する資産の利回りが低く、預金金利を
政策金利なみに引き上げてしまうと逆ザヤに陥ってしまうためです。
他方のMMFは短期の証券で回しているので、
現在は5%を超える利回りを出せます。これが
家計や企業には預金を引き出し、MMFに移す理由です。
(グラフ:ブルームバーグより)
MMFの運用先と現状は
MMFは通常、短期の米国債(割引債、Tビル)や
企業発行のコマーシャル・ペーパー、証券会社などへのレポ
で運用しています。
ですから、もし、短期の米国債の発行が止まれば、
MMFは、運用先の縮小からFRBのリバース・レポに
預けるインセンティブが高まります。
また、短期の米国債利回りがFRBのリバース・レポ金利を
下回ると、MMFは、FRBのリバース・レポに預ける
インセンティブが高まります。
先週、米国MMFにさらなる615億ドルの流入があった模様です。
これで、6週間連続の流入で2900億ドルの流人となり、MMF残高
は、5兆9000億ドルに達しています。
具体的には、12月6日の時点で、米国国債短期債、レポ、エージェンシー債
に投資している残高が、561億ドル増加して、4兆8290億ドルに達して
います。
社債のような比較的リスクのある投資であ、プライムファンドの残高は
61億ドル増加の9460億ドルです。
また機関ファンドも、リテールファンド流入が続いています。
MMFと銀行預金残高の乖離が鮮明
このMMFへの流入の一方で、銀行預金残高が伸び悩んでいます。
FEDのリザーブレポファシリティからの資金流出が続いています。
(グラフ:ブルームバーグ)
また、FEDのバランシートの収縮も続いているようです。
そして、銀行救済ファンドである、FEDのBank Term Funding Program
(BTFT)の残高は、1220億ドルと、4月以来の急激な伸びなっています。
(グラフ:ブルームバーグ)
FRBのBTFPを利用する銀行には、金融機関がその
ファシリティから借り入れ、その収益を中央銀行の口座に預けると
いう裁定取引が導入されることになるといいます。
BTFP ローンの金利は 12 月 1 日時点で約 5.18% でした。
1 年物 OIS スワップ金利は +10bp ですが、準備金残高の金利は 5.40% です。
BTFPから借りて、収益をFRBに預けて、22bp
のスプレッドを回収するという鞘抜きが生じているようです。
BTFP金利がさらに低下した場合、銀行はローンを早期に返済し、
新たなローンを組むことができます。 IORBがBTFPローンの
金利を下回った場合、金融機関はローンを返済できる。
そして今のところ、FRBの救済制度の利用額も急増しているため、
地方銀行の株価は上昇を続けているようです。
参照:Zerohedge
まとめ
今回は、FedリバースレポとMMFとの関係について
また最近のMMFの流入超過の状況について調べて
みました。
MMFの運用先として、短期国債があげられますが、この需給との
絡みで、Fedリバースレポは、MMFの運用先となっているようです。
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