ヘッジファンドとミューチュアルファンドの違いと現在最も保有する9銘柄は?(ゴールドマンサックス)
株式市場は、世界的には脆弱性をもちながらも
とく米国においてはこの夏好調さを維持しています。
ゴールドマン・サックは、ヘッジファンドとミューチュアルファンドを
対象として保有株式を調査しています。
その結果特に9つの銘柄に強気の傾向が出て
いるようです。
目次
ミューチュアルファンドとは
ミューチュアルファンドとは、米国の会社型投資信託のうち、
一般的にオープンエンド型の投信のことを示します。
米国では最も普及している投信の形態です。
オープンエンド会計とは、買戻可能証券を発行し、これを
継続的に売出している事業形態をいいます。
買戻可能証券とは、その発行体であるミューチュアルファンド
に提示することで随時償還を受けられるものです。
大体においてファンド総資産現在額のうち米国法で
決められた部分に比例する金額を受け取ることができます。
会社型ファンドとは
ミューチュアルファンドには会社型と契約型がありますが
会社型は、運用目的のために設立された投資会社の株式を
買うという仕組みで資金を集めます。株式は全国証券業者協会などの
ブローカーを通じて相手に取引されるので、証券取引所または
場外市場での取引は行われません。
契約型ファンドとは
契約型は、投資信託会社または信託銀行と契約して受益証券=投資信託を
買う仕組みです。米国では会社型が、日本では契約型が、
それぞれ大半を占めています。
ヘッジファンドとミューチュアルファンドの違いは
ミューチュアルファンドとヘッジファンドの違いは、
ヘッジファンドは絶対的リターンを求めるところです。
別の言い方をすれば、ヘッジファンドは市場が下落しても
儲けることができることを目標としているところです。
一方でミューチュアルファンドは、対インデックスに対して
相対的に設けることを目標としています。
別の言い方をすれば、買持オンリーと言っても
いいです。
ミューチュアルファンドとETFの違いは
ミューチュアルファンドは、市場では売買されません。ファンドを買いたい人は
ファンド会社(あるいは仲介会社)から買い、売りたいときはファンド会社
(あるいは仲介会社)に売ります。ミューチュアルファンドの値段は日中は変動がなく、
日中の売り買いは、その日の最後に設定される値段でなされます。
朝買う手続きをしても、買値はその日の最後に値段が決まるのを
待ってなされます。
一方でETFの最初の2文字―Exchange Tradedとは「市場で売買される」
という意味です。
株と同じように売りたい人が売り、買いたい人が買います。ETFの値段は、
株と同じように、市場の供給と需要により一日を通して上がり下がりします。
売り買いは一日いつでもできます。ETFの値段はいつも時価で
市場の動きとともにリアルタイムに反映される値段です。
ETFの方が支払う税金を削減できるといわれます。ミューチュアルファンド
を売りたい人は、直接ファンドに対して売りますので、ファンド側では
売る人にあげる現金を確保するため、ファンド内で持っている株式や
債券を市場で売って現金化するという作業が必要になります。
このタイミングは必ずしもファンドマネージャーが「売り時」、「買い時」
と判断するタイミングではない場合もあります。
ETFの魅力のひとつは低手数料です。ミューチュアルファンドの手数料は
過去にも問題視される向きがありましたが、高い手数料ですと3%などというものも
あります。この手数料は投資家にはよくわかる形で公表されないうえで、
直接利回りをくってしまいます。これに比べETFは手数料がずっと低め
という傾向があります。ミューチュアルファンドで嫌われるSales Load
(アドバイザーを通して買う場合の販売手数料)もなく、また先に書いたように
ファンド自体が売り買いをする作業も少ないので運営Expenseも低く抑えられています。
また投資資金について、ミューチュアルファンドに投資をする場合、
ある程度まとまったお金が必要になります。投資額の下限設定は
低くて$1,000くらいですが、多くの場合$3,000くらいはないと
ファンドに投資できません。反面、ETFは下限設定がありませんので
結果的に、少ない投資額で気負わず投資を始められるという長所が
ETFにあります。
ファンド保有が集中している9つの銘柄は
このゴールドマンサックスの調査分析は、813本のヘッジファンド、
運用総額2兆9000億ドルと、573本のミューチュアルファンド、同3兆ドルを
対象として実施されたものです。
その結果、アドビ・システムズ、ファイサーブ、ゼネラル・モーターズ(GM)、
リバティー・ブロードバンド、マスターカード、スクエア、トゥイロー、
ビザとウェルズ・ファーゴの9銘柄です。
このうち大半がグロース株で、バリュエーションが高いようです。
(S&P500指数全体からは、63%のプレミアム)ものの、
上昇率を比較すると9銘柄が6%、指数全体が20%に対して
9銘柄の上昇率が14%と若干劣っています。
しかしゴールドマンは、「ファンドが共通保有する人気銘柄は、
市場全体を上回る成績を残してきている、とコメントしています。
2013年以降、人気銘柄の等価平均保有での年間リターンは
20%で、市場全体の16%を上回っている」とコメントして
います。
まとめ
超がつく金融緩和政策が継続されているなか、ヘッジファンドと
ミューチュアルファンドのパフォーマンスは好調を維持し
銘柄も同じところに集中しているようですが、9月にはいり
世界全体で懸念材料も台頭しているなか、どのような
展開になるか注意が必要であると思われます。