SOXL(Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF)の構成銘柄と最近の動向背景!
AIブームが過熱するなかで、それを支えるといわれる
半導体関連銘柄にも注目が集まり、過熱感を帯びているようです。
そこで今回は、半導体関連ETFである「SOXL」について調べて
みました。
SOXLとは
SOXL(Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF)はNYSE Arcaに上場して
いる米国ETFで、NYSE Arcaはニューヨーク証券取引所(NYSE)グループの
証券取引所で、多くのETFが上場して取引されています。
SOXLはICEセミコンダクター指数というインデックスの日々の動きの3倍の
値動きをするETFで、ICEセミコンダクター指数は半導体関連銘柄で
構成されているため、このETFに投資することは半導体銘柄への
分散投資効果があります。
SOXLはICEセミコンダクター指数に連動していて、ICE(Intercontinental Exchange)
が半導体セクターに分類している中で採用条件を満たした30銘柄で構成されています。
SOXLの構成銘柄
銘柄名(ティッカー) 構成割合(%)
エヌビディア(NVDA) Nvidia 8.8
テキサス・インストゥルメンツ(TXN) Texas Instruments 7.99
ブロードコム(AVGO) Broadcom 7.95
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) Advanced Micro Devices 7.03
クアルコム(QCOM) Qualcomm 5.82
インテル(INTC) Intel-T 4.82
ラムリサーチ(LRCX) Lam Research 4.02
アナログ・デバイセズ(ADI) Analog Devices 3.96
オンセミコンダクター(ON) On Semiconductor 3.92
アプライドマテリアルズ(AMAT) Applied Material 3.89
2023年3月31日のインデックスデータ
有名な半導体指数としてSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)という
インデックスもあります。この2つのインデックスは計算方法や採用条件の
違いで、銘柄の構成に若干の違いはありますが、どちらも半導体関連銘柄で
構成されています。
もともとSOXLはSOX指数に連動しているETFでしたが、対象のインデックスが
ICEセミコンダクター指数に変更されました。どちらのインデックスにも重複して
採用されている銘柄も多いのが現状です。
SOXLの最近の動向と背景
Direxion・デイリー・セミコンダクター・ブル3X株(SOXL)は、FRB議長の
やや楽観的な発言が市場の神経質な沈静化を受けて、ハイテク株の大幅な上昇を
背景に6%上昇しました。
Nvidia Corp.、Advanced Micro Devices Inc.、Broadcom Inc.、Qualcomm Inc.など、
ポートフォリオの最大の保有株が下落していましたが、この日はSOXLの利益は
失われた部分をいくらか取り戻しています。(過去1か月間で21%下落した)。
SOXL は常に最も活発に取引されている ETF の 1 つであり、業界に重点を
置いたイクイップメントやサービスの製造業者やプロバイダーを含む
米国上場半導体最大手企業 30 社の指数から 1 日あたり 3 倍の
エクスポージャーを求めています。 ファンドのインデックスは時価総額加重を
使用しており、上位 5 銘柄の上限は 8%、残りの銘柄は 4% に制限されています。
AI技術に使用されるチップの需要が急増し、半導体に集中した資金を
かき集めたため、これらの企業は4月初めまで過去1年間で急騰しました。
etf.com のデータによると、最近の下落にもかかわらず、SOXL は
過去 1 年間で 187% 以上急騰しました。
単一株の T-Rex 2X ロング NVIDIA デイリー ターゲット ETF (NVDX) は、
205% という巨額のリターンをもたらし、2024 年の第 1 四半期で
最もパフォーマンスの高い ETF となりました。
SOXLの利益確定売り?
しかし、多くの投資家が半導体株の売却など利益確定を図ったため、
このセクターは最近苦戦しています。 AIチップ製造大手エヌビディアは
過去1カ月で3.5%下落し、1株あたり858ドルで取引されています。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は木曜日に1%以上上昇した
にもかかわらず、4月初旬以来19%以上下落しました。 SOXL
のそれぞれの保有資産はポートフォリオの中で最大です。
先週火曜日には、AMDが第2四半期利益に関する予想外のガイダンスを報告し、
AIブームで大幅に利益を上げたスーパーマイクロコンピュータが
アナリストの第1四半期売上高予測を下回るなど、この業界の
冷え込みを示す最新の兆候が示されました。 しかし、他の兆候としては、
韓国の製造業者であり Nvidia のサプライヤーでもある SK Hynix が、
AI に使用される高帯域幅メモリ チップが 2024 年とほぼ 2025 年に
向けて完売したと報告したことにより、より明るい兆しがありました。
参照:etf.com
https://www.etf.com/sections/advisor-center/etf-spotlight-soxl-seesaws-nvidia-sags
まとめ
etf.comのシニアアナリスト、スミット・ロイ氏は、「半導体株は今年初め
にAIを原動力とした激しい上昇で過去最高値を記録した後、4月に一息ついた」
と指摘しています。
同氏は「インテルの期待はずれの決算報告とAMDのさえない決算報告は、投資家に
半導体株の利益確定の口実を与えた」と述べています。
ただ、AIブームの強さはまだ持続するとの見方が強く、今後も投資家の注目を
浴びるとの見方をしています。