スコット・マイナード氏(グッゲンハイム・パートナーズ)の大統領選後の債券市場の見通しは!
グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、
大統領選挙の結果をみて、自らのマーケットの見方を
披露しています。この選挙結果をみると、ブルーウェイブ
の波はこなかったものの、債券市場を中心に
市場が力強く上昇する理由を解説しています。
そこで、今回は、スコットマイナード氏の大統領選後
のマーケットの見方について紹介してみたいと思います。
ブルーウェイブがないことによる債券市場への影響は
この選挙結果で、上院の民主党過半数の可能性が少なくなり
ました。大統領が誰になるかが注目されていますが、
議会のねじれが解消されるかどうかが、重要なポイントでも
あります。ブルーウェイブがないなら財政刺激策
の可能性は小さくなり、結果的に金融政策に依存すること
になるというのが、スコットマイナード氏の見方です。
FRBがシステムに流動性を供給すれば、結果的に
債券価格は上昇し、同時に米国債とのクレジット・スプレッド
縮小していくという予想をしています。
そして同時に、株価は押し上げられるとの見方をしています。
スコットマイナード氏は、大統領選後の株高の主な理由を
財政政策でなく金融政策においています。
大統領選後のマーケットの見通しは
大統領選後、ハイイールドのHYGやLQD(投資適格社債ETF)は、
すでにかなり上昇していますが、これらのマーケットは
まだ上がる余地がみていいます。その理由としては
ミューチュアル・ファンドや保険会社のような
利回り重視の投資家では、魅力的な利回りをとれる
機会をさぐっているからとの見方です。
米国は最近まで、金利が存在する稀有な先進国市場のひとつ
ですが、その米国でも金利はなくなりつつありますが
インカム・ゲインを必要とする投資家、例えば、引退世代であり、
その世代に小まめにクーポンを支払う機関投資家の
ニーズは強いものだがあります。
こうした投資家は、ある程度の利回りが稼げる、特に
フィクストインカムは魅力的です。その視点から
今後もフィクストインカム市場を支える力と
なることを予想しています。
債券市場の堅調を予想する理由
直近のFOMC声明文は、議会に向けたものだという。
宙に浮いた財政政策を速やかに前進させるべきとの
メッセージが含まれていると同時に、大統領選後に
議会が混乱していることを前提に、マイナード氏は、
もう1つ、市場へのメッセージも込められていると
解釈している。それは、最終的にはFRBが証券買入れを
継続できるというシグナルです。
FEDは、今後もいわば景気対策を補う意味でも
金融市場への介入を続けていくことを予想しています。
まとめ
スコットマイナード氏は、今回の大統領選の結果を
受けて、強調しているポイントは、FEDによる
金融市場への介入がさらに強くなるであろう、ということです。
その背景は、議会のねじれが続くなか、大胆な
財政政策が期待できなくなったと予想されるなか、
金融政策に依存する度合いがさらに強まるであろう
との見方です。機関投資家にとって、フィクスドインカム
投資はある意味必需のものであり、こうした理由を
背景に、イールドがある債券への需要は今後も
高まるであろうというのが、スコットマイナード氏
の見方のようです。