
PSOE(スペイン社会労働党)が総選挙勝利による夏に向けてユーロドルの中長期予想は!
注目のスペイン総選挙が終わりました。
28日投開票された結果、サンチェス首相率いる与党PSOE(社会労働党)
が下院(定数350)で123議席を獲得し、第1党を維持する見通しと
なりました。この票数はPSOEにとっては前回の得票数から50%増えた
ことになります。
各政党の獲得票は
スペイン総選挙 PSOEが123議席を獲得し(開票率84%時点)勝利 PPは歴史的大敗 https://t.co/QOszRHKmdd pic.twitter.com/XTZgOKz34u
— spain-press (@spain_press) April 28, 2019
社会労働党は前回選挙から約50%議席を伸ばし123議席を獲得
しました。そして他の主要政党の獲得議席は、国民党(PP)が66議席、
中道右派シウダダノス党が57、極左政党のポデモスは42議席でした。
注目のVOX党の議席数は
今回の選挙では極右政党ボックス(VOX)が躍進し、24議席を
得て下院に初進出しました。
VOX党が今回の総選挙で議席を伸ばすことは、事前世論調査で
も出ていました。
しかしながら、VOXの台頭により右派の票が割れたことが社会労働党に
有利に働きました。
結果的にPSOEのサンチェス首相はマドリードの党本部で勝利宣言を行い
ました。「PSOEは総選挙に勝った。われわれは欧州を弱体化するのではなく、
強固にするため、親欧州政府を形成する」と述べました。
今後の連立政権の見通しは
PSOEが選挙に勝利したといえども、過半数には達していません。
ということは、連立政権を形成することになりますが
急進左派政党ポデモスがサンチェス首相に対し、直ちに
連立協議の開始を申し出ています。ポデモスの議席数は
42議席なので、それでも議会の過半数を形成することは
できません。獲得議席数は両党を合わせても過半数に約11議席ほど
足りない見通しです。
そこでサンチェス首相は北部バスク地方の国家主義政党や他の
小規模政党の協力を求めることを示唆しています。
選挙結果によるユーロドル相場の見通しは
選挙結果判明した週明けのユーロ相場は堅調に
推移しています。
ユーロ相場はとりあへずは選挙結果を好意的に
受けとめたようです。
しかし、今後PSOEがどんな連立政権を組めるのか
確かでなく、もしカタルーニャ独立派の支持も必要に
なることになれば、スペイン国内での独立機運が高まる
可能性があり、ユーロは不安定になることも予想されます。
ユーロドルの超長期予想は
ユーロドルの中長期のトレンドは↓のチャートが示して
いるように、下降トレンドの中にあります。
しかし、この中長期のチャートをテクニカル的に分析
すると、ユーロドルは下値で煮詰まっている感も
否めません。別の言い方をすれば、ユーロドルのショートポジション
が積み上がり過ぎているチャートのように見えます。
このパターンは、近い将来にショートカバーでユーロが
上昇するパターンの可能性が高いチャートをしています。
とりあえず、スペイン総選挙というユーロに懸念材料であった
イベントが大きな波乱なく終了し、当面はユーロの悪材料は
出尽くしている感もあります。
まとめ
スペインの政治評論家は「PSOEのサンチェス氏は有利な状況にある」
との分析をしています。
今回の総選挙は確かは極右政党VOXが躍進したものの
これにより、右派政党の票が分断されたかたちとなり、
結果としてPSOEにプラスに働きました。
連立協議は複雑になり、来月の欧州議会選挙までに合意に至る
見通しは少ないようですが、このスペインの選挙結果により
欧州の政治が一段落すれば、ユーロの買戻しに合う相場展開
も考えらると予想しています。
。