
PEGレシオとは?計算方法とマイナスの場合の判断は!
株式に関する最もメジャーな投資尺度と言えば「PER」で
すが、PERだけでは、わからない部分があります。
PERは、株式投資で割安な成長株を見つけて投資するため
の銘柄を見つける手法としてよく使われます。
しかし、成長株ほどPERが高いこともあります。
そこで成長株の割安性を判断する指標として
「PEGレシオ」があります。PEGレシオは企業の成長を
加味した指標です。
PEGレシオとは
PEGレシオとは株式投資で使われる用語の1つで「ペグレシオ」
と読みます。正式にはPrice Earnings Growth Ratioといいます。
株価に対する企業の成長性を分析する指標です。PEGレシオを
算出するには以下の式を用います。
PERは「株価収益率=Price Earnings Ratio」の略であり、
「株価÷1株当たり純利益」によって算出されますが
この算式のうち「1株当たり純利益」は一般に「EPS=Earnings Per Share」
と呼ばれ、「当期純利益÷期末の発行済み株式数」によって
計算されます。
例えば前期の1株当たり利益(EPS)が50円、現在の株価が
1000円であれば、PERは20倍(=1000÷50)となります。
よく、アナリストが株価予想する際に
仮に同業種の平均PERが30倍だった場合、「同業種平均のPER30倍の
水準まで株価が上昇する可能性がある」「適正株価はPERが30倍
となる1500円である」といった記載がされるレポート
をよく目にします。
このように自社のPERを同業種平均、あるいは市場平均などと比較し
、低ければ「(株価は)割安」、高ければ「(株価は)割高」と
必ずしも言えるわけではありません。たとえPERが同じ企業であっても、
成長率が異なれば割安か割高の判断も違ってくるはずだからです。
PERが同じ企業は2つあり、一方は高成長率、もう一方が低成長率
だった場合、どちらに投資したいと考えればわかる話です。
そこで、EPSの成長率を考慮したうえでPERを分析するための指標が
「PEGレシオ」です。
PEGレシオの計算方法は
例えば同業種でPERが10倍のA社と50倍のB社があったとします。
株式投資で割安な成長株を見つけて投資するための銘柄を見つける
手法としてPERがありますが成長株ほどPERが高いこともあります。
そこで成長株の割安性を判断する指標として「PEGレシオ」がありますが
PEGレシオは企業の成長を加味した指標です。
PEGレシオを算出するには以下の式を用います。
PEGレシオ=PER(株価収益率)÷ 企業の利益成長率(%)
利益成長率の高い企業であれば高いPERでもPEGレシオが低くなり、
割安だといえるのです。逆に一見低いPERの企業だとしても
利益成長率が低ければPEGレシオの値は大きくなり、割高になります。
例えば以下のようなPERと利益成長率になっている2つの銘柄を
PEGレシオで表すと数値の大小が入れ替わるのです。
PER50倍÷利益成長率50%→PEGレシオ1
PER10倍÷利益成長率5%→PEGレシオ2
このようにPERで割高と分析する銘柄が、PEGレシオでは
割安と分析できることがあります。逆に低いPERでも成長の
乏しい銘柄はPEGレシオでは割高と見ることができます。
具体的な計算例で説明しましょう。2015年12月24日の
フェイスブックの引け値は$105.02でした。するとそれを
同社の2016年の予想EPSで割算し求められるPERは36.7倍になります。
いまフェイスブックの「来年の成長率」は先ほどの計算で31.8%で
したから、PEGレシオの計算は:
36.7 ÷ 31.8 = 1.15
になります。
この例だとフェイスブックのPERは、同社の「来年の成長率」より
ほんの少し(=15%)割高になっているわけです。
一般にPEGレシオが「1」であれば、その企業の株価収益率と
成長率が一致しているので、株価評価は適正であると評価されます。
PEGレシオで使われる利益成長率は今期と来期の予想成長率の
平均を用いるのが一般的です。
なぜならPEGレシオが最も有効なのは成長性のある中小型株です。
したがって過去の業績だけでなく今後の成長性を加味して
PERとの関係を分析することが重要です。。
売上高はPEGレシオではなくPSRをつかいます。
通常PEGレシオは利益に対して用います。したがって売上高を
PEGレシオで使うことはないので売上高に関してはPSR(株価売上高倍率)
という別の指標で分析することができます。
PEGがマイナスの場合は
PEGレシオについては通常は経常利益の伸び率で計算しています。
企業やアナリストが発表する「予想利益」をもとに
PEGレシオを分析する場合があります。しかし予想通りの
業績にならないことが多いのです。
一般的にPEGレシオを用いるのは、成長株、すなわち収益
が伸びている企業に使われるケースが多いですが、安定株など
歴史のある銘柄にはあまり使われないケースがあります。
なぜならば、経常収益のなかに為替の影響など、他のファクター
が絡むことも多く、またマイナスになったときにはPEGが
つかうことができません。
まとめ
今回はPEGレシオについて調べてみました。
一般に成長株は高いPERとなっているケースが
多いですが、同じ高PERの業種でも、収益伸び率
に対して、割安なのかそれとも行き過ぎなのかという
判断材料のひとつとなります。
ただ、このPEGレシオを採用することが妥当なセクター
、あるいはヒストリカル的にどうなのかも見極める必要があるようです。