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英国EU通商合意の重要点と今後のロンドン金融街を左右する「同等性」とは!

2020年12月31日のブレグジットの移行期間の最終日を

直前にして英国とEUがブレグジット後について合意に至った

ようです。

ブレグジットは欧州諸国は第二次世界大戦後に経済的、政治的な統合を進め、EUを設立し

英国も加盟しましたが、2016年に行われたEU離脱の是非を問う国民投票で

52%対48%の僅差でいわゆるブレグジットが現実のものになりました。

英国は2020年1月31日に47年間加盟したEUを正式に離脱しましたが

残留支持派は、離脱は欧州統合の歴史的後退で、これまで経験したことがない

経済的な打撃をもたらし、アイルランドとの国境問題が再燃する恐れがあるとの

懸念があがっていました。

その離脱後、2020年は移行期間を設けていて、それは英国はEUの正式離脱後も

通商や学生の交流などあらゆる分野でEU加盟国とほぼ同等の扱いを受ける

ことができる期間です。、この「移行期間」は12月31日に期限を迎えます。

その直前に合意なきブレグジットを回避するかたちとなった、今回のEUと英国との

あいだの合意のポイントについて調べてみました。

英国とEU合意のポイントは

英国とEUは2021年1月以降もモノの貿易を維持しようと、

3月以降、複雑な話し合いを行ってきましたが、多くの障壁が

待ち受けていました。24日の合意によると、総額9000億ドル

(約93兆円)の英EU貿易の約半分を占めるモノの貿易については、

自由な移動が維持され、関税や割当枠も設けないことで合意しました。

しかしモノの移動は通関作業など管理の対象となり、手続きが

これまでよりも増えることになっています。

そして、次のポイントとしては、英国とアイルランドの国境問題です。

英国とEUは昨年「離脱協定」を正式に結び、通商などを含む将来の

関係について交渉してきましたが、英領北アイルランドとEU加盟国である

アイルランドとの国境問題について、厳しい国境管理を導入しないことで

合意しました。ただ、モノについては、以前と障壁はあるにしても

以前と同等の通商状況が保たれるものの、金融やサービスについて

は別問題のようです。

金融サービスについての合意内容は

英国はEU離脱の移行期間が年末で切れ、EU金融市場への

完全なアクセスを失うことになります。国際決済銀行によると、

英国の外国為替取引高は第2位の米国の約2.6倍と圧倒的な首位に立って

います。欧州の金融ハブとして繁栄してきたロンドン(シティー)を支えたのが、

EUの単一パスポート制度でした。この内容は、EUに加盟するどこか1カ国で

免許を取れば、EU全域で金融サービスを提供できる枠組みのなかに、英国ロンドン

は位置していました。

しかしEU離脱で、英国は移行期間終了とともに単一パスポートを失います。

今後のロンドン金融街を左右する「同等性」とは

そこで、今後のロンドンとEUとの金融サービスについて

キーワードとなるのが、「同等性」です。

その後もEU市場への自由なアクセスを維持するにはEUとの交渉で、

英国の金融規制はEUと同レベルだと認めてもらう「同等性」の評価を得る

必要がでてくるのです。

この「同等性」が広く認められれば離脱前と同じく、大半のEU向け金融サービスを

ロンドン拠点から効率的に続ける道が開けるのです。

そこで英国は、独自規制で世界から新たに金融機関を呼び込み、EUに頼らない

金融拠点をめざすのか。それともEU市場へのアクセスを守りながら国際金融都市の

地位を堅持するのか。今ロンドンはその岐路にたっていると言えます。

「同等性」が認められそうな金融サービスとは

EUは英国にとって最大の金融サービス顧客で、その取引規模は年間約300億ポンド

に及びます。EUとの関係により、ロンドンは世界最大級の金融センターとしての地位を固め、

英国政府にとって重要な税収源という役割を果たしてきました。

金融サービス問題はEU本部で別個に扱われており、英国とEUの交渉内容から

外されています。ただ24日の合意により、EUはデリバティブ取引などの分野で、

一時的にせよ英国にアクセス権を認めやすくなる可能性があります。

来年初めから、英金融機関によるEU市場への全面アクセスは終わり、「同等性」と

呼ばれるEUの制度が適用されますが、EUが外国の銀行、保険、その他金融機関に対し、

英国のルールがEUと「同等」に頑健だと見なされる場合に限って

市場アクセスを与える制度です。

ただ、全面的にアクセスを認めるわけではなく、リテール銀行業などは

除外されることになっています。英国の銀行は既に、EU域内の顧客に口座の

閉鎖を通告しています。

現在、EUが与えている同等性は、2つの活動に限って英国に

与えています。その対象は英デリバティブ精算機関とアイルランドの証券決済です。

その期間はそれぞれ1月からの18か月間と6カ月間となっています。

今後の展開予想は

1月までに同等性評価が与えられない場合、株式、債券、デリバティブの取引は

現在よりも非効率的な英国とEUの「プール」に分割される可能性があります。

英国とEUは、ロンドンの資産運用会社がEU内のファンド用のために

株式運用を続けるのを認めることで合意しているので、市場への影響という

意味ではそれほど影響はない、と考えられます。

一方で、大半の金融機関はユーロ建ての株式取引について、1月4日からロンドン以外に

移す必要があると予想しています。この行方については、まだ交渉中には

流動的のようです。

まとめ

英国は、英投資家によるEU域内の株式取引プラットフォームの利用を認める方針

でいますが、その目的は、EUからの「同等性」を得ようとしていることが言えます。

一方でEUが幅広い同等性評価の付与を渋っていると言われていますがその理由は、

英国が今後もEUに類似したルールを維持するのを確認し、英国がEUより競争上

優位なルールを設けるのを避けることを目的しているようです。要するに、

EUのロンドンの依存を断ち切りたい狙いがあるようです。

一方英国はEUルールの一部について適用をやめ、保険会社の自己資本比率などの

ルールは変更し、投資会社に関しては独自のルールを導入して、ロンドンをより魅力的

な金融センターであることを主張する狙いがあるようです。

英国は、規制を総点検し、世界中のハイテク企業を誘致しやすいよう上場ルール

を変える意向も示しています。

結局現在では、ロンドンは株式取引、為替、デリバティブ、資産運用会社の

拠点といった側面で、フランクフルト、ミラノ、パリを圧倒している状態です。

そもそも体力がなくなっている金融機関が、英EU離脱に基づいて必要以上に

ロンドンから資本を移せば、市場の細分化を招いてコストがかかるだけだと

みなしている金融機関も多いようです。

そういう意味で、今後の展開として重要なことは、この「同等性」をEU

がどれだけきびしくロンドンにせまってくるかにかかってくることが

言えます。長期的には、仮にEUが同等性評価で厳しい姿勢を採ったり、

EU内の金融センターが主要な資産クラスの取引で決定的な規模に達したりすれば、

金融センターとしてのロンドンの魅力は衰える可能性が高いと思います。

 

 

 

 

 

 

プロフィール


Yoshi

こんにちは、Yoshiと申します。
約20年に及ぶ外資系銀行でのトレード経験を活かして金融情報を独自の視点で発信しています。FX市場に携わって約20年経ちますが、現在は他の金融市場(株式、コモディティ、暗号通貨)の関連性を含めて独自目線で情報提供しています。
主な資格:
米国公認会計士合格(ワシントン州)
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