
NYSE(NY証券取引所)とNASDAQ(ナスダック市場)の上場条件とダウとS&P500の違いは!
NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQ(ナスダック市場)は、
どちらもアメリカの主要な株式市場ですが、**上場条件(Listing Requirements)
には明確な違いがあります。
目次
NYSE(ニューヨーク証券取引所)

世界で最も伝統的・格式の高い取引所のひとつ。
上場審査が厳しく、「大企業向け」というイメージが強い。
代表的条件(目安):
株主資本:最低 4,000万ドル以上
時価総額:最低 4,000万ドル以上
利益実績:直近3年間で合計1,000万ドル以上の利益
(うち直近2年間でそれぞれ200万ドル以上)
株主数:400人以上
浮動株式数:110万株以上
ガバナンスや内部統制の基準も非常に厳しい。
NASDAQ(ナスダック市場)
IT企業や新興企業向けに開かれた市場。
上場基準が柔軟で、成長性を重視する。
市場は3つのレベルに分かれる:
NASDAQ Global Select Market(最上位・大企業向け)
NASDAQ Global Market(中堅企業向け)
NASDAQ Capital Market(小規模・成長企業向け)
代表的条件(Capital Market基準の目安):
株主資本:500万ドル以上
時価総額:最低 5,000万ドル以上、あるいは純利益などで代替可
利益実績:直近2年間で利益があれば良いなど柔軟
株主数:300人以上
浮動株式数:100万株以上
NYSEとNASDAQの違いのイメージ
NYSE → 「伝統と規模」:財務の健全性や利益実績を重視。すでに安定した大企業が多い。
NASDAQ → 「成長と革新」:利益よりも将来の成長性を重視。ITやバイオなど新興企業が多い。
両者の大きな違いは「規模・実績重視か、成長性重視か」という点。
そのため、老舗のコカ・コーラやIBMはNYSE、アップルやアマゾンはNASDAQというように、
上場企業の性格も分かれています。
なぜGAFAなどのIT企業はNASDAQを選んだのか
GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)など多くのIT企業が
NASDAQを選んだのには、歴史的・制度的な理由があります。
NASDAQの設立背景
1971年に設立されたNASDAQは、世界初の「完全電子取引所」。
当時、IT企業やベンチャーは、まだ実績が乏しくNY証券取引所の厳しい上場基準
を満たしにくかった。
NASDAQは 「利益より成長性を重視」 する柔軟な基準を設け、新興企業に門戸を開いた。
IT企業との相性
NASDAQは早期から テクノロジー産業に特化 しており、証券アナリストや
投資家もハイテク株を評価する土壌があった。
ベンチャーキャピタルとのつながりも強く、資金調達がしやすい環境。
成功事例が次の成功を呼ぶ
1980年にApple、1986年にMicrosoftがNASDAQに上場。
これが「テクノロジー企業はNASDAQ」というブランドを確立。
後続のGoogleやAmazonもその流れに乗った。
ダウやS&P500の違い
株価指数は単に「市場全体」ではなく、特定のルールに基づいて銘柄が選ばれています。
ダウ工業株30種(Dow Jones Industrial Average)
対象:米国を代表する30社(伝統的に「工業株」だが、今は幅広い産業を含む)。
選定主体:ウォール・ストリート・ジャーナル(ダウ・ジョーンズ社の編集委員会)。
基準:
米国を代表する大企業であること。
業種のバランスを考慮(金融、ヘルスケア、ハイテクなど幅広く)。
流動性(取引量が十分に多いこと)。
特徴:純粋に「株価の高さ」で加重されるため、高株価銘柄の影響が大きい。
S&P500指数
対象:米国の大型株500銘柄(時価総額全体の約80%をカバー)。
選定主体:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社の委員会。
基準:
米国企業であること。
時価総額:約160億ドル以上(目安)。
流動性:一定以上の売買高。
公開株式比率:浮動株が一定割合以上。
財務の健全性:直近の四半期を含む連続的な黒字実績。
特徴:時価総額加重方式のため、アップルやマイクロソフトなど大型株が指数を強く動かす。
まとめ
GAFAがNASDAQを選んだ理由 → 上場基準が柔軟で、ハイテク産業を重視していたため。
成功事例がブランド化し、後続企業もNASDAQを選んだ。
ダウやS&P500の採用基準 → ダウは「米国を代表する30社」を編集委員会が選び、
株価加重。S&P500は「大型優良500社」を基準に委員会が選び、時価総額加重。
