NFIB中小企業楽観指数の上昇でユーロドル相場への影響と見通しは?
全米独立企業連盟(NFIB)の調査による中小企業楽観指数は、
小規模事業主に報酬の変更計画についてアンケートも
含まれています。今回発表された、NFIBの中小企業楽観
指数では、事業者が、賃金や給与を上昇させる計画を
しめしています。
NFIBは雇用コスト指数と連動する
雇用コスト指数(ECI)は、給与をはかるうえで重要な
先行指標となります。
NFIBをみれば、今後数カ月で
賃金、給与が加速していくことが読み取れます。、この指数は、
単に傾向を示すもので、必ずしも実際の行動をしめすもので
はありません。雇用コスト指数は、労働コストをはかる
うえで、最も安定かつ正確に労働市場の需給の緩みを
反映する指標として見られています。明らかに四半期生産性データ
や雇用統計での平均時給賃金データよりもより正確に
反映しているとされています。
FRBに与える影響は
雇用コスト指数は、政策決定者も注目している数字です。
堅調な経済成長とコアインフレは、現在FOMCの前年比2%上昇の
ターゲットに沿っています。これらの指標の上に、今回雇用コスト指数
とNFIBの調査で賃金の上昇を示していることは、今後の四半期で
FRBが目標金利を徐々に上げていくことへの後押しとなる
と思われます。
米国の賃金上昇によるユーロドルの見通しは
ユーロドルは、現在1.13台と、今年の安値を試しています。
ここからユーロが反発できるかどうかは、テクニカル的にも
二番底を形成できるかどうか瀬戸際に立っています。
今回NFIB調査で、非常にポジティブな答えが返ってきた
ことで、米国の今後の利上げ路線は、根底に流れると
思います。今年ユーロドルが売られてきた背景として
色々あげられますが、やはり、米国とユーロの間の
金利差は大きな要因になっていると思います。
ここにきて、アメリカの賃金上昇が、本格的になっている
ことがわかると、再び金利差に着目したドル高ユーロ安
が訪れる可能性があります。
テクニカル的にも、週の終値ベースで、1.13台を維持
できるかどうかポイントになる可能性が高いと思って
います。
テクニカル的にはダブルボトムを形成できるかどうか
正念場になっているのです。
イタリアの問題、そしてドイツのメルケル首相が国内の
党首を退いたことによって、よりユーロに対する
不明感の強くなり、ここ最近のユーロ安ドル買いの流れ
続く可能性が高いと思っています。