Hu Xijin編集長(Global Times)の香港人権法案可決に対する投稿でドル円相場への影響は?
昨日までは、米中貿易問題の緩和観測や米国のさらなる金融緩和
観測に後押しされる格好で、米国株式市場をはじめとしてリスクオン
のマーケットとなっていましたが、本日はこのニュースに一転して
市場に警戒感が走っています。それは香港人権問題に対する米国議会
の対応です。
目次
トランプ大統領の香港人権問題への反応は
この法案は下院では既に可決されていましたが、今回上院でも
可決されたことで、今後トランプ大統領に送付されます。
上院はまた、香港警察に催涙ガスや催涙スプレー、ゴム弾、スタンガンなど
特定の軍用品を輸出することを禁じる法案も全会一致で可決しています。
しかし、ホワイトハウスはトランプ大統領が香港人権法案に署名する
意向かどうかをまだ明らかにしていません。トランプ大統領は
貿易問題とこの問題を絡めようとしているのか、あるいは
本音では習近平とけんかしたくないと思っているのか定かでは
ないですが、態度を保留しています。
トランプ氏側近には対中通商交渉への悪影響を懸念して
あへてコメントを差し控えているとのことです。、
米国議会に対する中国の反応は
米国上院で満場一致で可決したことを受けての
中国外務省の反応は、激しく非難し、また中国の
内政干渉を辞めるよう強く非難しています。
さらに一国の国としての安全を守るために必用あ
措置をとる必要があるとし、米国議会の動きを強く
非難しています。
中国外務省は20日、同法案の上院可決を非難し、
国家の主権と安全保障を守るために必要な措置を取ると表明
しているのです。
外務省報道官は声明で「事実と真実を無視している。ダブルスタンダードが
適用されており、香港情勢をはじめとする中国の内政に露骨に干渉している」
中国外務省は反応しているので、この問題が米中関係に深刻な
ダメージをあたえる可能性もでています。
米国が香港情勢など中国の内政への介入を直ちに中止しなければ
「悪い結果が跳ね返ってくるだろう」とも述べています。
Hu Xijin編集長のツイートに市場が反応する
Global Timesの編集長であるHu Xijing編集長のツイッターの
投稿で市場が反応しているようです。
その内容とは、中国は貿易問題の解決を願っているが、米国との長期に
わたる最悪のシナリオも想定している、と投稿しています。
Few Chinese believe that China and the US can reach a deal soon. Given current poor China policy of the US, people tend to believe the significance of a trade deal, if reached, will be limited. China wants a deal but is prepared for the worst-case scenario, a prolonged trade war. https://t.co/7KPp5cUOIQ
— Hu Xijin 胡锡进 (@HuXijin_GT) November 20, 2019
そしてトランプ大統領も米中貿易問題の楽観論に対して警告もして
います。
Hu Xijin氏の投稿に対する市場の反応は
この投稿が出た直後の市場の反応はS&Pが下落に転じて
います。本日は上院で香港人権問題が可決された直後と
Hu Xijin氏の投稿で2段階で下落する展開となっています。
人権や香港問題を巡り中国に明確な態度を示すべきと主張する
トランプ側近のあいだでもあるため、激しい議論が交わされる
可能性があります。
共和党幹部の香港人権法案に対する反応は
共和党のルビオ上院議員は「香港の人々は何が待ち構えているかを分かっている。
自治権と自由を損なおうとする着実な動きがあることを理解している」と述べて
います。ルビオ議員は共和党の有力議員であり、この人の発言は
影響力もあります。
法案は、香港への優遇措置継続の是非を判断するため、一国二制度に
基づく高度な自治を維持しているかどうか、米国務長官に毎年検証する
ことを義務付ける内容となっています。
ドル円相場への影響と予想は
この問題は米国議会の上下院とも可決しましたが
トランプ大統領は、まだサインしていません。
これがトランプ流のディールのやり方なのかも
しれませんが、これを題材にして米中貿易の主導権を
握ろうとしているようです。しかし、この問題は
中国にとって国の主権にかかわるような大きな問題なので
絶対に譲れないと思われます。そしてドル円相場への影響
については、この株価下落が一時的なもので終わる場合は
米中交渉は、こんまま米国主導ですすんでいるという憶億が
強いなか、ドル円相場はドル高傾向が続く可能性が高いと
思われます。
また日本の輸出額が大きく下落していることも見逃せまん。
日本の貿易は今年にはいり落ち込んでいるのです。
これを考えると、ドル円相場はドル高円安になりやすい
相場展開が続く可能性が高いと思われす。
また香港人権問題については、トランプ大統領がサインしない
かぎりにおいては、米中の大きな火種にならないと予想
します。
まとめ
民主党のシューマー上院院内総務は、習近平国家主席に対して
メッセージを送っています。あなたの自由を弾圧する行為は、香港であれ、
中国北西部であれ、どこであれ容認されない、という書簡です。
これに中国は大きく反発しており、香港人権問題でトランプがどういう
反応をしめすか注意を払う必要があると思います。
ただ今のところ、トランプは米中貿易で優位にすすめられるように
これを利用しようとしており、短期的な問題で収まるというのが
大方の見方です。となるとドル円相場はリスクオンの展開が引き続き
続くと見たほうがよさそうです。
ポンペオ米国務長官は18日、米政府は香港情勢を深く懸念しているとし、香港当局に対し市民の懸念に対応するための明確な措置を打ち出すよう呼び掛けた。