
HIBORが急上昇~中国人民銀行は引き締めに転換して人民元安を食い止める?
中国人民銀行が投機的な人民元売りを抑えつける姿勢を示したことを受け、
人民元は4日と5日の2営業日に対ドルで急反発し、2日間の上げ幅としては
過去最大に達しました。
人民銀行は5日、中国の銀行に資金を留保するよう指示し、香港市場の流動性を
引き締めました。これを受けてオフショア人民元は昨年11月初旬以来の高値まで
急上昇し、オフショア人民元の翌日物HIBOR(香港銀行間取引金利)は16.95%
から38.3%へ跳ね上がりました。
人民元安を食い止めることに必死な中国
人民元安を見込んだ投資のコストを押し上げ、空売り筋を締め上げよう
とする人民銀行の意向などを指摘した。中国の経済成長が減速する一方で
債務負担が増す中、元の売りポジションが膨らんでいました。
5日の取引ではオフショア人民元が対ドルで1.2%上昇。過去2日間の
上昇率は2.5%に達しました。
人民元相場と中国からの資本流出ペースは、金融市場で最も注目を集める
動きの一つで、投資家の多くは、2017年の世界の経済成長見通しに対する主な
リスクの一つとして、中国経済の無秩序な減速を挙げています。
香港における人民元の流動性が縮小し続ける中、オフショア人民元の借り入れコスト
はここ数カ月に上昇しています。中国政府は外国為替取引のルールを厳格化すること
により、資本流出の抑制策を強化してます。
2016年初めは、中国が人民元を大幅に切り下げるとの懸念から、世界の市場は6週間に
わたって混乱に陥ったことを回帰させるようなここ最近の不穏な市場の空気が
広がっています。