
グッゲンハイムパートナーズがヌリエル・ルービニ教授の懸念に反してビットコインに投資した理由は!?
ビットコイン相場は、3月に4,900ドルの安値を付け後に、執拗に上昇しましたが、
この9ヶ月間で285%、年初から160%上昇しました。そして先週は小幅な下落調整を
しています。
ちなみに、ビットコインが「ゼロにクラッシュする」と警告されていた2018年2月に
ビットコインを買った人は誰でも150%の益を得、S&Pを4倍もアウトパフォーム
しています。そして、ビットコインに対して否定的なのが、ヌリエル・ルービニ教授ですが
彼の主張は以下のとおりです。
ルービニ教授のビットコインの見通しは
So today as BTC got close to its ATH the price collapsed by 13% as the same scam of retail suckers with FOMO being duped by manipulative whales occurred. Inequality coefficient of BTC worse than North Korea where Kim owns most of the assets. 2% of whales control 98% of BTC. 11/n
— Nouriel Roubini (@Nouriel) November 26, 2020
このように、ルービニ教授は、ビットコインに対して、かなり否定的です。
また金に対しても否定的な見方をしている人たちは、「金は、1,000ドルを
超えることはできますが、インフレか恐慌の世界にならない限り、20~30%も
上昇することはありません」と言っています。
グッゲンハイムのビットコイン戦略は
世界最大の債券資産運用会社の一つであるグッゲンハイム・パートナーズが、
上記のルービニ氏のビットコインがメルトダウンするとの見通しを発表した
翌日のタイミングで、債券やその他の債券・株式証券を通じたトータルリターンを
目指す53億ドルのデジタル資産への投資を発表しました。
グッゲンハイム・マクロ・オポチュニティ・ファンドは、グレイスケール・ビットコイン・トラスト
に純資産価値の最大10%を投資することで、間接的にビットコインへの投資をおこなっています。
グッゲンハイムがビットコイン投資を発表したことの意味は、そのCIOである
スコット・ミナードは、ポール・チューダー・ジョーンズやスタン・ドラッケンミラーの
ような伝説的なトレーダーのひとりですが、その投資家がビットコイン投資に仲間入り
したことを意味します。
上記のグラフが示すように、ポストコロナでは、株式市場が活況を呈した
印象が強いですが、それにもまして、ビットコインの相場が突出していた
ことがわかります。
ビットコイン投資に対する懸念材料
グッゲンハイムのファイリングでは、クリプトカレンシーを
「交換媒体として機能するように設計されたデジタル資産」と説明していますが、
一方で様々なリスクも挙げられています。その中には、
・非常に不安定な価格の動き
・ビットコインネットワークへの信頼の危機
・競合するクリプトカレンシーへのユーザーの嗜好の変化、
・他の資産クラスのための規制された確立された取引所よりも詐欺や失敗にさらされる可能性
・大部分が規制されていない」取引所での取引などが含まれます。
そのような懸念材料が暗号通貨取引にあるなかで、グッゲンハイムが
投資している方法は、今のところ – グレイスケールETFだけです。
GBTCへの投資を除き、当ファンドは、直接または間接的に、暗号通貨に
投資していないことです。
ビットコインの見通しは
ビットコインについては、上記のリスクを懸念する声が
あるなかで、上昇を続けているもの事実です。
特に、コロナ以降、各国が発行する通貨に対する信頼感
が薄れている背景に、中央銀行が、無尽蔵に流動性を
供給していることがあげられます。インフレリスクの
時間的なタイミングはわかりませんが、各国が発行している
通貨にたいする信頼が薄れているのも、金やビットコインが
急騰している背景にあげられます。
上記のグラフのように、ポストコロナで金価格が上昇に転じている
理由はある程度わかりますが、それよりもビットコインの価格が
急上昇しています。とくに秋以降の上昇率は、金価格を上回って
います。中央銀行による、とくFEDによる資産購入は、とくに株式市場
と商品市場に資金が流れていますが、同時に政府が発行する通貨、債券
に対する警戒が強まっていることも事実です。それが、金と暗号通貨上昇
につながっている大きな要因だと思われますが、ビットコインは
大手ヘッジファンドの投資対象になりつつあることも見逃しては
ならない事実だと思われます。
まとめ
今回は、グッゲンハイムのビットコイン投資戦略について
調べましたが、やはり、金と同様に仮想通貨が上昇している
ポストコロナの状況を素直に理解することも必要な気がします。
とくにビットコインについては、ルービニ教授のような否定的
な見方をする分析もありますが、トレンドに乗ることも必要な
ような気がします。