
GBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)とは?ビットコイン比割引率が高い理由は?
過去最高値からのビットコイン急落を背景に、運用資産350億ドル(約3兆7700億円)のGBTCは、
今月16日以降に約20%下落。ブルームバーグのデータによると、GBTCの22日基準価格は、
保有するビットコインの価値を約19%下回っています。
仮想通貨ビットコインの投資信託で世界最大の
「グレースケール・ビットコイン・トラスト」(GBTC)の受益者にとって、
事態は悪化の一途をたどっています。
GBTCはいまや、原資産の価値に対して過去最大の割引率で取引されている。
そこで、まずはGBTCとはなにか、GBTCの特徴とその根幹となるビットコインの
今後の見通しして調べてみました。
GBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)とは
ビットコイン・インベストメント・トラストは、2013年にスタートした
世界で初めてのビットコインの価格と連動した投資信託です。
投資信託は、投資家から集めた資金を運用の専門家が株式や債券などに
投資・運用する商品で、その運用成果を投資家の投資額に応じて
分配するのが投資信託ですが、これをビットコイン投資に用いたのが
ビットコイン・インベストメント・トラストです。
運用側は投資家から資金を調達して、ビットコインを運用し、
投資家は投資信託を買った時より高く売り、その利益分を確保した場合
それをキャピタルゲインと呼び、投資家は利益の一部を分配金として
運用側に支払います。
投資家は、ビットコインの価格変動を予測し、利益の一部が分配され、運用側に
手数料を支払いますが、面倒な手続きやセキュリティの管理などを運用側に
任せることができるのがメリットです。
ビットコイン・インベストメント・トラストが扱うのは、ビットコインへの
投資に特化した投資信託です。ビットコインの価格に連動した価格で運用し、
同社の収益源はビットコインの値上がり益のみになります。
スポンサーを務めているグレースケール・インベストメンツは約13億1000万ドルの
運用資産を持つ投資ファンドです。
GBTCの割引率が高い理由は
GBTCの構造的な問題として、大半の従来型上場投資信託(ETF)とは異なり、
換金を認めていないことです。売りたい受益者は流通市場で買い手を
見つけなければならず、それがビットコインに対するディスカウントに
拍車をかける要因になる可能性があります。GBTCにはさらに、
カナダで承認されているビットコインETFとの競争も激しくなっており
米当局はビットコインETFの承認申請を申請中で、もしこれが承認されれば
流動性の高い投資信託のほうに資金が流れやすくなることが
考えられます。効率の悪いGBTCから資金を移すローテーションが
依然ある可能性があり、GBTCを通じたビットコインのエクスポージャーを
解消しようと動きが加わっているとの見方もあります。
GBTCは過去最大の割引率となっていますが、根幹のビットコイン相場
の下落が強まっているなかで、流動性の低い投信にはさらに割引率が
高まる可能性があります。
まとめ
バイデン政権のキャピタルゲイン税への増税観測が高まるなか
とくにビットコインに逆風が現状吹いていますが、その投資信託
のひとつである、GBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)
はさらに逆風がふいています。元となるビットコイン価格に
このように調整が入り始めると、効率がよくないとされる投信には
さらにディスカウント率が高くなってきています。
このGBTCは適格投資家向けの限られた投資家に対する
投資信託ですが、相対の買い手を見つけてまでも、逃げようとして
いる機関投資家がちらほら現れ始めているようです。