FRB銀行監督副議長に指名されたランダル・クォールズ氏はボルカールールを変えられるのか?
FRBの銀行監督を担う副議長に指名された
ランダル・クォールズ氏は、トランプ米大統領に
よって新たに指名されました。トランプ政権が進める
規制緩和の主役を担うことになります。
そこで注目されるのが銀行の自己勘定取引を制限する
ボルカー・ルールの改定の問題です。
自己勘定取引を再開するかが焦点
一部を改定すべきであるという政治的な合意形成は
できているが、いざ変更するには規制当局の支持が必要
となります。
2010年に成立したドッド・フランク法の一部である
ボルカー・ルールは、預金保険制度で守られた銀行の
リスクテークを抑える方法として支持を得ています。
12年に施行される予定だったが、規制策定に関わる
5当局の意見が食い違い、ルー前財務長官が圧力を
かけてようやく13年、5当局が承認しました。
ルールの大部分が施行されたのは15年です。
クォールズ氏らが望む改正案とは
クォールズ氏は同ルール改定の主役を担うようです。
ムニューシン財務長官は既に各当局に検証作業を始めるよう
指示していますが、財務省が最近出した報告書には、
ベンチャーキャピタルその他、成長を促すような投資に
ついては規制対象から除外することなど、いくつかの
修正案が示されています。このほか、トレーディング資産が
100億ドルを超える少数の銀行グループに絞って順守強化を
義務付ける案も出ています。
クォールズ氏の対外交渉能力にも疑問
しかし5つの規制当局はまだ詳細に合意していない状況です。
その上、承認には各当局の理事会や委員会メンバーによる
採決を要します。つまり最大で20人ほどの当事者が
関わることになり、手続きには時間がかかるのは間違い
なさそうです。クォールズ氏は監督能力だけでなく、
対外交渉の手腕も磨くこと求められています。