FRBウォッチャーのヒルゼンラスが利上げトーンダウン~9月雇用統計を受けて
WSJのヒルゼンラスによると、昨日発表の9月米雇用統計は、
連邦準備制度理事会のイエレン議長が9月の連邦公開市場委員会後に
明らかにした見方と合致しているようです。
職を求めて労働市場に戻ってくる人が増えているため、失業率が4.9%
から5%への上昇となりました。職を求めている多くは職を見つけ
ているが、全員というわけではなく、9月は就業者数が35万4000人増加する
一方で、失業者数は9万人増加しました。
失業率の上昇が利上げを慎重にさせる
労働人口の増加による失業者数の増加が失業率の上昇圧力となっています。
9月には失業率が5.0%と、8月の4.9%からわずかに悪化しました。
イエレン議長は労働者による職探しの再開を健全な兆しととらえています。
労働人口の拡大は労働市場がまだ過熱していないことも示し、これはゆっくり
と政策金利引き上げに向かうという同議長の計画を裏付けています。
イエレン議長の想定どおり?
イエレン議長は9月のFOMC後の会見で「経済にはこれまで考えられていた
よりやや余地が残されている。(中略)これは朗報だ」と語っていました。
次回のFOMCは11月8日の大統領選挙前の1・2日に開かれますが。この「余地」が
9月の雇用統計で確認されたことを考えれば、11月の利上げの可能性はほぼ
なくったようです。
引き続き12月の利上げの確率が最も高いようでが、失業率の上昇傾向がまだ
続くのであれば、来年まで見送られる可能性もある、とFRBウォッチャーの
ヒルゼンラスは見ているようです。
12月のFOMCまでのあと2回の雇用統計でまだ判断する余地がのこって
いることを、今回の雇用統計で後退したようです。