FRBの本音はゼロ金利政策から脱出を年内にすること、しかし実際は様々な障壁が。
8日公表された9月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、参加者はバランスシートの
縮小を開始する時期について協議したようです。FRBの保有資産は長期金利引き下げを狙った
量的緩和の結果、4兆2000億ドル(約505兆円)に膨らんでいます。正常な環境下ではこの規模は
はるかに小さいはずで、FRBは長期的に正常時の水準まで戻したいと考えているようです。
現時点では満期を迎えた証券の償還金を再投資しているが、それをやめてバランスシートが自然に
縮小する日がいずれ訪れます。
FRB職員は、短期金利はすでにゼロ近辺であり、きょうリセッションに襲われたなら、
利下げの余地は事実上ない。議事録が示すのは、FOMC参加者が現時点では、将来的に必要で
あれば利下げする余地を確保することなどを狙ってフェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げ
に集中する一方、バランスシートはしばらく現状維持とする方向です。
大規模なバランスシートは、銀行システム内に多くの準備金があることを意味します。
これは金利が上昇に転じれば、この準備金を管理する上でFRBが新しい未検証の手段に
重きを置かなければならないこと意味します。新しい手段にはオーバーナイト物リバースレポと
呼ばれるマネー・マーケット・ファンド(MMF)との取引も含まれます。FOMC参加者は、
オーバーナイト物リバースレポを用いることにはあまり乗り気でないようですが、大規模な
バランスシートを抱えた状態では金利操作のためリバースレポの積極使用が必要になる可能性がある
ようです。FOMCメンバーが違和感を感じているリバースレポ取引とは、
有価証券貸借取引の一形態で、債券を担保として資金の貸し出しを行う
取引のことをいいます。これは、借手側が債券を担保として差し出し、貸手側より資金を
借り入れる貸借取引を指します。通常、手持ちの債券を資金化したい場合に行われますが、
貸借契約のため、一定期間の経過後に担保債券の返却と借入資金の返却が行われます。
現在、日本では、レポ取引と言った場合、債券の貸借取引のうち、金銭を担保として受け取る
「現金担保付債券貸借取引」のことを指します。これに対して、欧米では、レポ取引は、
債券の売買取引扱いとなるため、「買い戻し条件付売却取引」のことを指し、またリバースレポ
については、レポ取引同様、売買取引扱いとなるため、「売り戻し条件付買入取引」となります。
このように実際に利上げを実施する場合にはテクニカル的にも様々な問題に直面する可能性が
ありますが、FRBとしては、まずは利上げを実施したあとに、バランスシートの正常化に向かいたい
との意向があるようです。
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