FRBのメインストリート貸付プログラムとPPPプログラムとの違いとその効果とは!?
FRBは総額2.3兆ドル(約250兆円)金融政策プログラムを
決定しています。
そのうちFRBはメインストリート貸付プログラムの範囲を拡大し
ました。これによってより多くの企業が対象となるように新型しています。
これは、コロナウイルスの感染拡大が続く中、米経済への信用の流れを
維持するのが目的ですが、このプログラムを、メインストリート貸付プログラム
を呼んでいます。
メインストリート貸付プログラムとは
FRBは、30日、従業員1万5000人以下、または年間売上高50億ドル以下の
中小企業に対して、貸付プログラムを発表しました。
この範囲について、売上高の上限は2倍となり、従業員数の上限は
50%引き上げられました。これは、新型コロナ感染拡大で停滞する
米経済の支援でFRBがこれまでに打ち出した緊急融資ファシリティーの1つで
中小企業の適格ローンを最大6000億ドル(約64兆円)の買い入れるプログラムです。
同プログラムは対象が数百社に上る可能性があり、当初の想定より債務の多い
借り手にも拡大されます。
メインストリート貸付プログラムの対象ローンは返済が必要となります。
パウエル議長は、2008年と09年に連邦準備制度が中小企業ではなく
ウォール街を助けたと受け止められ支持を失ったことを
理解していて、同じ過ちはしないように考えているようです。
PPPプログラムとは
PPPプログラムは給与保証プログラムのことです。PPPローンは、企業が労働者の
維持や再雇用などのルールを順守している場合、返済が免除されます。
新型ウィルス感染症の影響を受け、米国政府はスモールビジネスに
従業員の雇用を維持してもらうため、緊急経済対策として総額$349 billionの
Paycheck Protection Program(PPP)という企業支援策を策定しました。
対象は従業員500人以下の企業です。
このPPPプログラムの規模は約40兆円でアメリカの中小企業・個人事業主の
支援策「Paycheck protection Program」を含む220兆円のCARES Act(経済支援策)が
3月19日に調印されました。
そのうちの約40兆円を投入する中小企業の支援策が、Paycheck protection Program(PPP)です。
これは、500人以下の従業員の企業や個人事業主を対象とし、ビジネス継続と雇用の
保護のために使途を限定して融資されます。米国財務省からの支援を受けた連邦政府の
一機関 Small Business Administration (SBA)がその担当となり、SBAローンを受付ける
金融機関が申し込み窓口となります。
PPP の主な内容は、中小規模事業者の 8 週間分の人件費(給与および社会福利費含)を
中心とする事業経費を補填するための資金を提供するもので、その中には人件費の他、
借入金利・賃料・水道光熱費等を含めることが出来ます。
このPPPのポイントは融資の形を取りますが、指定された用途にそのお金を使う限りに
おいては返済義務がないということで、実質的な補償となることです。
メインストリート貸付プログラムとPPPプログラムの違いは
この二つの根本的な違いは返済義務があるかないかの違いです。
メインストリート貸付プログラムがフルリコース(完全償還請求権)付きであるため
PPPプログラムほど参加は増えない可能性があります。
フルリコースでは返済されない場合、金融機関は借り手企業に完全な債務弁済を求め
ます。PPPプログラムは、今日本でも問題となっている、このコロナ危機に
直面している中小企業に対する補償にあたるところです。
米国はいち早く、40兆円におよぶ、補償プログラムを組んだことに
なります。
まとめ
今回FRBがコロナ対応として急遽策定したファシリティー
がクレジットを広げる政策ですが、その中のファシリティで
ある約6000億ドルのメインストリート貸付プログラムの
対象先や信用枠を広げました。同時に米国政府は緊急経済対策
220兆円を策定しましたが、そのうち約40兆円をPPPプログラム
すなわち、中小企業、個人企業主の給与の支払いなどの補償プログラム
を提供しています。米国では、このコロナ危機に対して、経済面では
政府とFRBが両輪となって、過去にない大規模の資金と信用供給
の決定をしていますが、この新型コロナ感染による被害は、100年単位
に及ぶほどの未曾有の恐慌を引き起こそうとしており、今後どのような
展開となるのか注意が必要です。