FRBがテーパリングを明確化したことでドル円はどうなる?
FRBが24日公表したFOMC議事録によると、テーパリング
(量的緩和の段階的縮小)を通して年内に4兆5000億ドル
規模のバランスシートの縮小を開始する計画に対し参加者は
支持を表明しました。
FRBメンバーはFOMC参加者に対し、期限を迎える
米国債とエージェンシー債で再投資をせず毎月償還するに
任せる上限額の段階的な引き上げを発表することを提案
しました。
FRBは数年前に資産買い入れを停止していましたが
償還金の再投資を通じて資産保有高は維持してきました。
影響を限定的にする
新たな計画では、再投資を抑制する上限はまず低水準に設定し、
その後一定の期間にわたり3カ月ごとに上限を引き上げる。
計画によると、償還金のうちこの上限を超える分のみを
毎月再投資する予定のようです。
議事録は、「上限が引き上げられるにつれて再投資額は減少し、
FRBの債券保有高の毎月の減少幅が大きくなる」としています。
最終的な上限額はバランスシートの規模が正常化するまで
維持されるとしたが、参加者が正常と考える具体的な
バランスシートの規模は記されていません。
こうしたアプローチは「段階的かつ予見可能」な
バランスシート縮小と一致すると指摘しています。
年内にFRBの保有高縮小を開始するのが適切となる公算が
大きいと議事録には書かれています。
ドル円への影響は
今回の議事録に年内のバランスシート縮小計画が盛り込まれた
ことは、サプライズでした。
これを受けて長期金利が上昇しドル円も反発して
います。
しかし、テーパリングは、段階かつ予見可能な範囲で
実施されることから、市場へのインパクトはそれほど
ないと予想します。
ドル円は、それよりも、政治的な動向とトランプ政権の
法案の行方に左右される展開がしばらく続くと思われます。
よってこの材料でドル円の一方的な上昇はないと予想
します。