
バックストップEU離脱案最新英国情報!為替ポンド相場への影響は!?
英国議会がEU離脱をめぐって混迷状態にあるようです。
イギリス議会下院は14日、EU離脱について審議するよていですが
その審議内容はメイ首相とEUが結んだ合意案について再び是非を問うわけ
ではないようです。
現状英議会が行うとしていることは
先月、メイ首相が英下院議会に採決をはかったEU離脱合意案
は大差をもって否決されました。
メイ首相はEUに対し、1月に英議会で否決された合意案に
修正を加えるよう働きかけています。
メイ首相は、再度EUと交渉して修正案を持ち帰って議会採決に
諮ると表明していますが、その目途はたっていません。
メイ首相は、2月13日までに「意味のある採決」ができる
修正案を持ち帰れない場合には、議会が14日に離脱について審議するのを
認めると約束しています。
次にイギリス議会が審議するバックストップ条項は
メイ首相は13日にEUとの修正協議がどこまで進展したかを議会で
報告します。すなわち、メイ首相がEUとの間で最交渉を望んでいる
北アイルランド国境沿いのバックストップ条項についての交渉です。
しかし、EU側は現在のバックストップ条項についての修正案について
さらに付け加える意思はないのが現状です。
そして14日は、離脱問題全般を巡る動議が提出され、
それに基づいて審議が行われます。要するに、次に英議会で審議される
のは、メイ首相の修正案についてではなくて、EU離脱全般について
審議されるのです。
これに対し、前回1月29日に審議された動議は、離脱交渉を巡って首相が
示した方針について問うものでした。しかし次に審議される内容は
議員が修正案を提出し、離脱協議の主導権を政府から
議会に移すなど、29日と似た修正案が多く提出される見通しと
なっています。
EU離脱は延期される?
修正案が可決されれば、離脱の阻止、延期、再交渉などを
望む議員らは、それらを推進する法的な手段を得ることになります。
EUは今のところ再交渉には応じないと表明しているため、その他議員は
首相案に代わる案を提出し、首相に軌道修正してEUとの連携を強化するか、
国民投票を再実施するよう訴える可能性があります。
野党は、議会に離脱日延期を求める権限を持たせるよう提案し、
1月29日に否決された案を再度2月14日に提出する
意向を示しています。
2月13日の英議会のポイントは
ここでポイントとなるのは、ジョン・バーコー下院議長が、採決に
かけるべき修正案があるかどうかを決めることです。
すなわち、メイ首相が、修正案を持ち帰れるかにかかっています。
仮に首相が14日までにEUから合意案の修正を勝ち取り、英議会で
採決にかけられるなら、離脱全般を巡る14日の審議は見送られることに
なります。しかし首相は14日までにEUから修正を引き出せる
見通しはたっていません。
為替ポンド相場への影響は
↑はポンドドル相場の長期のチャートですが、今年にはいって
ポンドは回復基調にあります。
これは、市場がEU離脱について、延期されるか、または
再度国民投票に持ち込まれるのではないかという、憶測が
強まっていることが背景のような気がします。
現状は、昨年の下降トレンドの調整的な戻りにとどまっている
チャートを形成していますが、直近のポンドの高値を超えること
ができるかどうか、すなわちその局面では、13日の議会で
なんらかの今後の形が見えてくる可能性が高いと思って
います。
もし、ポンドが今年の高値を超えると、ポンドの戻り歩調がさらに
高まると予想しています。
まとめ
今回の議会対応で注目すべきことは、メイ首相がEUから
修正案を持ち帰れない場合は、14日にEU離脱全体についての
審議案が提出されることです。
EU離脱の期限は来月に迫ってきているので、メイ首相から
議会に主導権が移れば、EU離脱延期に向けて動き出すのでは
ないかと個人的には思っています。