
ECBドイツ勢はドラギ総裁に反対の方向、テクニカル的にもユーロの反発リスク
連日、ECBドラギ総裁が12月での追加緩和示唆をおこなっていますが、
ECBのラウテンシュレーガー専務理事は23日、ECBが追加刺激策を
実施する必要はないとの考えを示し、ECBが12月3日の理事会で
追加緩和策を決めるとしても、影響力の大きいドイツの支持は
得られないことを示唆しています。
同専務理事はミュンヘンでの講演で、「私の目から見て、資産買い入れ
措置の拡大はもちろんのこと、現時点で追加の緩和策を行う理由は見当たらない
ことは明らかだ」と語っています。
ドラギ総裁が債券買い入れの拡充や預金金利の引き下げを示唆している一方で、
ラウテンシュレーガー専務理事は、ECBの現在の刺激策が経済全体に波及するには
時間がかかるとした上で、最近の指標はユーロ圏が世界経済の脆弱(ぜいじゃく)性に
ある程度耐えられることを明らかにしていると指摘しています。
ECB理事会メンバー25人のうち、ドイツ出身者は2人。ラウテンシュレーガー専務理事と、
ドイツ連邦銀行(中央銀行)の総裁でもあるバイトマン理事です。
バイトマン理事も追加緩和に反対の意向を示してますが、ドイツが影響力があるにせよ
25人中2人の意見では、大勢は変わらないというのが現在の市場に見方のようです。
ただ気になるのは、ユーロの追加緩和に前のめりになりすぎている市場が、
期待通りのものがでなかった場合のユーロのショートカバーのリスクのほうが
気になります。
チャート的には、ユーロは下向きのペナントを形成しており、リスクとしては、
反発した時の値幅のほうが大きくなる展開をチャートは示唆しているようです。