ECBが懸念する銀行の繰延税金資産の扱いとは。
EUの銀行が計上している
繰延税金資産とは、銀行が
損失を計上するか、保有資産に
対して巨額の損失が生じた場合に
銀行が支払った税金の一部を
将来の赤字経営期間に取り戻す
ことができます。
これは、各国が認めている制度ですが、
銀行は黒字転換したばあいも税額控除
を受けることができます。
この繰延税金資産を自己資本へ転化する
扱いを、イタリア、スペイン、ポルトガル
の銀行が行っています。
EUは、段階的に2018年を目標に繰延税金資産の自己資本に転化を削るように
義務付けてきましたが、加盟国の法制
で算出を許可されているため、とくに
脆弱なイタリア、スペイン、ポルトガル
そしてギリシャの銀行は繰延税金資産
を自己資本バッファーに算出しています。
これは、論理的に考えれば、銀行は
国庫について直接的に権利を主張できる
ことを意味します。
ECBは、各国の税制、財政問題を抱え
ながらの矛盾との背中合わせの難しい
舵取りをしていることが、ここでも
伺われます。