現在のコールプットレシオ(PCR)チャートが示唆するトレーダーのVIX指数とS&P500の見通しは
S&P500の 3,400のポイントが市場にとって重要なサポートで
あると指摘されています。それは、いわゆるゼロガンマと言われる
ポイントで、それはガンマがプラスからマイナスに反転するレベル
です。(ディーラーによるプットのデルタヘッジにより売りが
強化されるレベル)を表しており、すなわち、3,400以下の
下落は “いくつかの売り圧力を加える可能性がある “という
ことになります。
最近のS&P500の動きは
昨晩のS&Pは下落基調となりましたが、オープンから
1時間も経たないうちにガンマ・フリップ・レベルが破られると、
売りが加速し、最終的には、3356まで下落しました。
その後、ゼロガンマ線と言われるポイント、3400が破られた後の
市場の反応には興味深いものがあったようです。
このゼロガンマが下抜けしたところで、ESのボラティリティが
大きく拡大しました。
VIX指数のここ最近の動きは
しかし、VIXの動きはより興味深いものでした。
9月10日以降のトレンドチャンネルをついに抜け出したことで、
VIXは9月初旬以来の最高値に急上昇しました。
VIX指数は、9月の上旬に、S&Pが大きく下落したときの、水準にまで
上昇してきています。ピンクのボックスが示している、ここ1か月のレンジボックス
を上抜けしている状況となっています。
プット・コールレシオ(PCR)との関係は
プット・コールレシオ(PCR)とは、オプション市場の相場観の
強弱をはかる指標です。オプション取引は、満期に一定の価格(権利行使価格)
で株価指数などを売買する権利を取引しますが、買う権利「コール」を
買えば上昇局面で値上がりが期待でき、売る権利「プット」を買えば
下落局面で値上がりが期待できます。PCRはプットの売買代金(5日平均)を
コールの売買代金(5日平均)で割って計算します。PCRの上昇は
プットの人気上昇、つまり今後の下げを見込む弱気派の優位を示し、一方で
PCRの下落はコールの人気上昇、つまり今後の上げを見込む強気派の
優位を示します。
そこで↑の現在のS&P500のプットコールレシオを見てみると
上昇していることがわかります。ということは、現状においては
弱気派が増えていることが分かります。これは意味していることは
オプションでいえば、プットオプション取引が増えていることを意味
しますから、逆にいえば、この数字がある程度高くなると、相場的
にはピークをむかえる可能性も高いということもできます。
と午後2時30分ESTでSPXのオプションボリュームは100万契約で
かなり多かったようです。
これは VIX オプションの取引量にも反映されているようです。
この日の取引では、プットの取引量が非常に多く、トレーダーは
この急騰を利用して、より多くの取引量をショートする機会を
得ている可能性があることがわかります。
言い換えれば、今日のVIXの急上昇を利用して、VIX(ボラ)を売り、事態が
悪化した場合にはFRBがすぐに救済してくれることを期待しているようです。
まとめ
ここ最近のプットコールレシオとVIX指数が指数が示唆していることは
トレーダーたちは、ボラティリティのショート、すなわちVIX指数でいえば
この場所を恰好の売り場であるとの認識のようです。すなわち株式市場
は、いざとなれば、FEDが助けてくれるという安心感があるようにも
見えます。