
CSI300指数とは?香港ハンセン指数との違いと2021年の最安値を付けた背景は
中国の代表的な株価指数は、2日連続して下げ幅を拡大しています。
中国の代表する株式指数CSI300は、重要な節目である5,000ポイントを突破した後、
年初来の安値で終了しました。CSI300指数は、1.6%下落し、12月11日以来の
低水準である4,928.69ポイントで終了しました。月間の下落幅としては、2年以上ぶりの
急落となっています。この背景として、パンデミックからの回復が遅れている
との懸念が広まり、リスク資産に影響を与え、アジア市場が幅広く低迷する中、
この下落により、今年のピークからの下落幅は15%以上に達しています。
そこで、整理しておきたいのが、CSI300とはどのような指数なのかです。
今回はCSI300指数についてと、現状の中国の株式市場を取り巻いている
状況について調べてみました。
CSI300指数とは?
CSI300指数は、上海証券取引所および深セン証券取引所に上場している
A株のうち時価総額および流動性の高い300銘柄で構成された株価指数です。
CSIは、この指数を算出・公表しているChina Securities Index社の略称です。
同社は、上海証券取引所と深セン証券取引所の合弁会社で、指数算出及び
指数関連事業を専門として設立されました。
そこで、気になるのはA株とはなにかです。
中国A株とは、中国A株は中国政府による適格国外機関投資家制度で認可された
国外の機関投資家を除き、基本的には中国人しか投資できない人民元建ての株式のことです。
A株は、上海証券取引所と深セン証券取引所に上場しています。
2017年11月30日現在、上海証券取引所には1381銘柄のA株が、深セン証券取引所には
465銘柄のA株が上場しています。上海と深センの割合は約7:3です。
CSI指数の業種別内訳を見ると、金融が38.5%と最も大きく、次いで鉱工業13.7%、
一般消費財11.8%の順になっています(2017年12月末現在)。
ハンセン指数とは
ハンセン指数とは、ハンセン指数会社(HSI)が開発した株価指数。香港取引所(HKEx)
のメインボードに上場している銘柄のうち、時価総額や流動性の観点から選定された最大50銘柄で
構成しています。浮動株調整した時価総額の加重平均方式で算出されています。
こう考えると、CSI300指数は、中国国内の指数であることがわかります。
香港のハンセン指数はテクニカルな調整局面に入りました。これは、香港がバイオンテック社の
ワクチン接種を一時的に中止したことで、パンデミックからの回復ペースに対する懸念が
高まったためです。
中国CSI300が2021年安値を付けた背景は
ここ数日、中国の株式市場が下落を続けています。その背景は、
中国が価格を下げるために国家備蓄からアルミニウムを売却することを検討しているという
ニュースもその要因のひとつのようです。材料株は5.3%もの急落となり、
4日間の連敗を続けました。中国アルミニウム社は6.1%の下落となり、
その他の銘柄も下落しています。
CSI300指数は、過去2週間のほとんどの期間、5,000ポイント前後で推移していましたが
全国人民代表大会(全人代)の期間中、中国の国家基金が株の買い付けに動いたことで、
CSI300指数は堅調に推移していましたが、中国の「暴落防止チーム」は、当局が投資家の
懸念を和らげるために動いて以来、ここ最近はほとんど姿を消していることも
ここ最近の下落の要因です。
旧正月の休暇以降、市場のセンチメントは弱くなっており、何か悪いニュースがあれば
売り圧力になりやすい地合いとなっているとのコメントもあります。
また、中国の政府関係者と米国および欧州の政府関係者との間で政治的緊張が高まっていることも、
センチメントを悪化させているようです。
受給懸念が台頭?
国内の投資家は、政府からの明確な後ろ盾がないために国内市場から
手を引いている一方で、外国人投資家は、自国株式の買いにシフトしている
ようです。
国内外のトレーダーは、マカオのカジノ株や香港の不動産開発会社など、地元経済に
影響を与える銘柄を売却しているようです。
中央銀行による影響
最近のアジア主要市場の急激な弱さについて、中国人民銀行と日本銀行の存在が
あるとの憶測もあります。
中国はほぼ1年ぶりに銀行への現金提供を控えており、中国人民銀行は先月末以降、
金融システムへの短期流動性の純注入を回避しており、資金調達が困難になっている
との懸念が高まっています。
一方、4日連続で下落したNIKKEIの弱さも、日銀が先週金曜日に株式購入の年間目標を廃止し、
ベンチマークである日経225からTOPIXに買いを集中させると発表したことから、
日経平均の下落につながっているとの意見もあります。
まとめ
中国と日本の株式は、中央銀行からレスキューが入ることに頼ってしまい、
慣れてしまっているようです。現在、このような支援がなくなるわけではありませんが、
弱まってきており、そのことも、現在の弱気センチメントにつながっているようです。