
カントリーガーデン(中国不動産ディベロッパー)の自社債券買戻しについて
売り上げベースでは中国最大の住宅建築メーカー、カントリー・ガーデン(碧桂園)は、
1000万ドル相当の自社発行債券を買い戻したと報じられいます。
中国最大の住宅建設会社であるカントリー・ガーデンは、今週の月曜日に1000万ドル
の自社債券を買い戻しましたが、中国の不動産危機が続いているため、
再び暴落しています。
カントリー・ガーデン債になにが起きている
先週は、カントリーガーデンの債券にとって過去最悪の事態となり、月曜日には
最大で17ポイントも下落し、国際市場の債券のほとんどが額面より
25-35%低い水準となっています。
アナリストは、同社が先週、債務市場の投資家の動向が不透明だったため、
3億ドルの資金調達計画を中止したと伝えています。
先週からの下げで、同社の債券価格は、額面の25〜35%にまで下げて
おり、アナリストの資産では、3000億ドル相当の価値が
失われたことになります。
カントリーガーデンの広報担当者は、この報道に対し、現時点では
転換社債を販売する予定はない、と答えています。
https://www.reuters.com/markets/europe/china-biggest-property-developer-sees-bonds-slump-2022-01-17/
最近の中国不動産関連株価の動きは
カントリーガーデンの株価は香港で8%急落したが、急落したのは同社だけではない。
中国中央銀行が主要金利の1つを予想外に引き下げたにもかかわらず、
華中不動産(0832.HK)、渝州集団ホールディングス(1628.HK)、
KWGグループホールディングス(1813.HK)、
サナック(1918.HK)はいずれも2~5%の下落にとどまっています。
中国のデベロッパーは、長年にわたる借入規制により前例のない
流動性収縮に直面しており、一連の海外債務不履行、信用格付けの
引き下げ、デベロッパーの株式と債券の売りにつながっています。
一時、カントリーガーデンはあらたな社債発行を通じて資金調達を
検討との観測が流れていましたが、同社スポークスマンは、
新規社債発行計画は全くないとしています。
引け後の同社発表によれば、2022年7月満期の社債500万ドル、
2026年4月の500万ドルを買い戻したとしています。
世界銀行の先週の経済見通し報告書によると、中国の不動産セクターの
深刻かつ長期的な低迷により、デベロッパーの負債総額が中国の
GDPのほぼ30%に達し、経済全体に大きな影響を及ぼすと警告
しています。
まとめ
欧州最大の資産運用会社Amundiのハイイールド債マネージャー、Colm D’Rosario氏は、
「今起きているのは、不動産セクターの資金繰りの悪化だ」と指摘しています。。
最大の懸念は、中国の大手デベロッパーの多くが、従来の借入市場が
ほぼ閉ざされたまま、今年中に多額の負債を支払う必要があることです。
今後の注目点としては、どの時点で政府が下降スパイラルに陥らないよう
対策を講じるかです。まさに綱渡り状態なので、政府がどのような
タイミングで救済にはいってくるのかが、大きく左右しそうです。
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