
CFNAI(シカゴ連銀全米活動指数)の特徴と現在示唆しているS&P500との不吉な相関関係は?
毎月あるいは毎四半期、エコノミストやアナリストそしてメディアは
GDP、雇用統計そしてインフレ指標を次に何が起こるか経済動向占う
うえでよく用いていますが、実はもっと重要な経済指標があります。
GDP、雇用統計などがよく新聞紙上などでよく目にしますが、もって
重要な経済指標があるのです。それがCFNAI(シカゴ連銀全米活動指数)
です。CFNAIはあまり新聞紙上でとりあげられることは少ないですが
実はこの指標は85の経済指標を含んでいる経済動向を見るうえで
とても重要な指標なのです。
現在の株価(S&P)上昇の要因は
アメリカの株式市場が史上最高値を更新している背景の
ひとつにFedが介入に利下げを開始したことがあげられます。
そして企業収益が2020年に向けて、再浮上していくとの
期待があるなか株式市場が好調であると言えます。一方で
経済ファンダメンタルズを占う重要指標のひとつである
CFNAI(シカゴ連銀全米活動指数)については真逆の動き
をしています。投資家たちは、このCFNAIの動きに目をつぶって
株式市場に資金が集まっているようです。
CFNAIの現在の動きの特徴は
有名な経済しひょうであるGDPは、過去の数字であると同時
に将来の経済動向を占う指標ではないとされていますが、一方で
CFNAI(シカゴ連銀全米活動指数)は、将来的に経済がどうなる
か占ううえで参考になる重要な経済指標であるとされています。
そのCFNAIの動きのチャートがこちら↓です。
オレンジのラインがCFNAIの動きを示して、水色が不況を示唆している
動きです。見てわかるように、CFNAIとリセッションは比例していること
がわかります。
CFNAIの特徴、見方としてゼロを分岐点として、そこを下回ると不景気を
示唆することになります。一方でゼロより上は好景気を示唆しています。
CFNAIとEOCI(RIA経済指標)との相関関係は
CFNAIはEOCI(RIA経済指標)の構成要素です。とうことはEOCIのほうが
より幅広い経済指標をカバーしていることになります。
そのEOCIの動きも今後経済がリバウンドしていくことを示唆していません。
CFNAIとEOCIは両方ともネガティブな将来的な経済動向を示唆しています。
上のグラフはRIA経済指数とS&P500の動きです。
オレンジがS&P500の動きですが、右肩あがりに市場最高値を
更新している一方でRIAはリセッションを示唆する動きとなって
います。
過去のCFNAIとS&P500の相関関係をみると
↑のグラフが示しているのは、S&P500は長期的には
上昇トレンドをずっと維持してきていますが、経済ファンダメンタルズ
が悪くなると必ずといっていいほど調整局面が訪れています。
CFNAIがゼロ以下のあるときのS&P500の年間上昇率は比例
して下落しているのです。
これは当然で、いくら金融政策で株価を持ち上げても、マクロ経済が
悪ければやはり株価上昇にも限界があります。
現在の乖離がおきている状況は、いずれはどちらがそれに従って
調整される可能性が高いということです。
まとめ
以上の論点をまとめると、85の経済コンポーネントをカバーしている
CFNAIはネガティブの領域にはいっています。一方でS&P500は金融緩和
を歓迎してか上昇基調のなかにありますが、この乖離はいつかの時点で
調整されます。過去の動きからみると、経済ファンダメンタルズに逆らえない
株価が来年は大きく調整される局面がくる可能性にベットしたほうが
よさそうな気がします。