CDS指数のチャートの推移からわかるハイイールド債からの資金移動!
2018年を通して、米国ハイイールド債券は現金担保価値よりも
プレミアム領域で取引されていました。
その後10月に入り衝撃が走り、世界の資金の流れが急速に変わり、
ハイイールド債は急落していきました。これによってハイイールド債は、
プレミアムからディスカウント領域に追い込んでいっています。
なぜハイイールド債が売られているのか?
この背景に既存のETFポジションのヘッジとして
流動性の低い基礎ポジションの売却に走ったためです。
また新興債務市場では、相対的に流動性の高いETFが
既存の流動性の低い新興債務に対して15%のディスカウントで
取引されているという酷いことがおきています。
流動性危機がキャッシュマーケットからCDS市場に
波及する恐れがあるため、この数週間投機筋はヘッジ手段として
CDS市場に注目するようになりました。
これが、ハイイールド債からCDS市場に資金が向かっている
背景です。
世界中の多くのファンドが債券ETFに集積させており、
今は償還のラッシュに対応しきれなくなっているようです。
なぜCDS指数でヘッジするのか?
それは、CDS市場の流動性の高さにあります。
株価の上昇とともに、こぞって資金はハイイールド債に
も向かっていましたが、ここにきての株価の急落で
その資金の逆転が起きているようですが、いかんせん
ハイイールド債現物市場には、流動性が少ないために
ヘッジ手段としてCDS市場が使われているようです。
今年の市場は歴史的に違う
株式市場が大きく下落調整しているにもかかわらす、
米国債利回りがそれに反応していない
という懸念も持ち上がっています。
これは、とても稀なことで、少なくともここ
最近歴史をみると、過去20年間で1回しか
起きていないが、その時は、大規模な質への逃避と
ロシア債務不履行とLTCMの危機にlを巡る複雑な動きが
起きていました。
一般的には、株式が10%以上下落するときは、質への逃避が
おこり、米国債利回りも低下がおきますが、10年債利回りは
ピーク時の3.25%から下落しましたが、s&p500が9月にピークを
つけた時よりも、米国債利回りは高くなっています。
まとめ
今年のマーケットの動きは違った様相を呈して
いると指摘している人が多いようです。
今年は株価の急落を2度経験していますが、
米国債券利回りは、上昇を続け、またドル円相場
も円高にならない展開が続いています。
それぞれの市場の構造が変わって来ている可能性が
高く、今後の市場を注意深く見守る必要が
あると思われます。