CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは?中国デジタル通貨は基軸通貨ドルを脅かす存在になる?
オンラインマネーの革新において、中国は米国を凌駕しています。
事実上の通貨基軸としての米ドルの地位に疑問を投げかけています。
CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは
CBDCとは、中央銀行デジタル通貨のことで、規制されてはいるものの、
完全にオンラインで存在するお金の形です。中国はすでに
100万人以上の中国国民にデジタル人民元を発行していますが、
米国はまだ研究に重点を置いています。
CBDCとは、以下3つの定義が特徴があげられます。
・デジタル化されていること
・円などの法定通貨建てであること
・中央銀行の債務として発行されること。
中央銀行は、誰でも1年365日、1日24時間使える支払決済手段
として銀行券を提供していますが、これをデジタル化
していこうとする動きです。
現金を代替するようなデジタル通貨を中央銀行が発行することに
ついては、具体的な検討を行っている国もあります。
しかしながら、民間銀行の預金や資金仲介への影響など
検討すべき点も多いことなどから、多くの主要中央銀行は
慎重な姿勢を維持しています。そんななかで先行させているのが
中国です。
日本銀行は、現時点において、そうしたデジタル通貨を
発行する計画はありません。
一方で、中央銀行の当座預金という既にデジタル化されている
中央銀行の債務を、新しい情報技術を使ってより便利にできないか
という議論もありますが、多くの主要中央銀行では、新しい情報技術を
深く理解する観点から、調査研究や実証実験などの取り組みを行っています。
日本銀行では、欧州中央銀行と共同で分散型台帳技術と呼ばれる新しい
情報技術に関する調査(プロジェクト・ステラ)を実施し
中国や米国を含む80近くの国が、CBDCの開発を進めています。
米国のデジタル通貨現状は
米国では、MIT(マサチューセッツ工科大学)のデジタル通貨・イニシアティブ
とボストン連邦準備銀行の2つのグループが、米国人にとっての
デジタル通貨のあり方を研究しています。プライバシーに関する懸念が大きいため、
研究者やアナリストは中国のデジタル人民元の展開を観察しています。
デジタル・ドルが登場すれば、プライバシーは非常に重要な要素になる
、と専門家は指摘しています。
もうひとつの懸念はアクセスですが、アメリカ人の7%がインターネット
を利用していないと答えています。黒人の場合は9%、65歳以上の場合は
25%にのぼります。障害のあるアメリカ人は、約3倍の確率で
「インターネットを利用しない」と答えています。
米国は、CBDCが物理的な現金と共存し、ユーザーが必要に応じて
物理的な現金を使うことができることを前提としているようです。
米国におけるCBDCの構想は、ドルが世界経済の通貨リーダーで
あり続けることを目的としています。
中国デジタル通貨はドルを脅かす?
中国のデジタル通貨戦略には懸念もあります。
デジタル人民元は、過去30年、40年の間に直面した西側に対する
最大の脅威となる指摘もあります。ヘイマン・キャピタル・マネージメントの
カイル・バスは、「デジタル人民元は、過去30年、40年の間に我々が直面した西側
に対する最大の脅威であり、デジタルな権威主義を輸出することを可能にする」
と懸念されています。
まとめ
ドルの強さを維持し、その強さを利用するための明確な戦略を策定することが、
ドルを基軸通貨として維持するために必要なことである、という指摘
があります。
カイル・バス氏(ヘイマンキャピタル)のWiki的経歴と中国デジタル通貨(CBDC)の見通しは!?
キャッシーウッド氏(ARKインベストメント)がポートフォリオ中国株を減らしている背景は