CAPEレシオ(シラーPER)とは?2022年割高からのS&P500の見通しは!?
2022年の相場の注目点としては、
2022金は1オンス3,000ドルを超えるか?
また昨年過熱気味となったデジタルアートメドレーNFTを
6900万ドルでピークを打つのか? スターバックスのコーヒーに
シロップとミルク入りの1カップが年内に10ドルになるのだろうか?
そして最も注目されるのが、S&P500、10年債利回り、そして原油価格
の行方です。FRBのテーパリングは株式と債券市場にどのような影響
を及ぼすのか?
そして地政学的には、 中国は台湾を侵略するのだろうか?そして
ウクライナで第三次世界大戦が勃発するのだろうか? といった
大転換にもなりそうな懸念材料が待ち受けている2022年とも
いえます。
CAPE指数(シラーPER)とは
CAPE(Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)は、
ノーベル経済学賞受賞者の米エール大学ロバート・シラー教授が
考案した株価の割高感を測る投資指標でPER(株価収益率)の一種。
ITバブル(ネットバブル)の崩壊を予見した指標として有名である。
一般的に、PERは株価を一株当たりの当期純利益で割って算出することが多いが、
単年度の一株利益を使用すると変動が大きくなることもあり、CAPEでは
過去10年間の平均利益に物価変動を加味した値を一株利益として指数を算出。
景気循環の影響を調整した株価の割高、割安を見ることができることも
特徴の一つであり、景気変動調整後のPER(株価収益率)とも言われる。
CAPEでは割高、割安の分岐点は25倍程度と言われている。
CAPEレシオからみる2022年S&P500は
S&P500について、 この広範な市場の指数は、過去最高値を
更新したところです。 しかし、価格についてですが、 S&P500は
それを裏付けるだけの収益を上げているのか、という割高感
に覆われています。
S&P500の現在の評価額は、1871年まで遡った過去の評価額と比較すると、
大きなリスクを伴う株式市場であることが分かります。 12月30日の市場終了時点で、
循環調整後価格収益率(CAPE)は40.09となっています。
これはCAPEレシオの長期的な歴史的平均より137%以上高く、1929年9月に
記録したCAPEレシオ32.56をはるかに上回っています。 CAPEレシオが
これより高くなったのは、ドットコムバブルのピーク時、1999年12月、新世紀への
準備期間中に44.19を記録した一瞬だけです。
1929年9月と1999年12月、この2回のピーク時に株式市場は見事に暴落して
います。
つまり、現在のCAPEレシオに基づくと、S&P500は歴史的平均の2倍をはるかに
超えるコストで推移していることになります。 また、NASDAQとDJIAともに
同じような状況になっています。
同様に、GDPに対する時価総額の比率であるバフェット指標は、株式市場全体が
著しく過大評価されていることを示しています。 現在、この比率は
約209.5%に達しています。
時価総額の比率が98〜119%の間であれば、公平に評価される市場である。
141%を超えると、著しく割高と見なされます。
まとめ
今回はCAPEレシオ(シラーPER)について紹介しました。
これは、景気循環を考慮した後の過熱感をはかる指標の
ひとつですが、前から言われているように、明らかに過熱感
のある市場となっています。
CAPEレシオの指標として25が上限といわれるなか、2022年
のスタートは40を超えています。2022年の波乱要因としては
上記にあげた、金融政策の転換と、地政学リスクもあります。
また、材料、エネルギー価格が上昇するなか、スタグフレーションの
状況を懸念している投資家も多いようです。
2022年がどんな年になるのか、注意深く見守る必要が
あると思われます。
銀価格と金価格の推移チャートから見える乖離による今後の市場の影響は?