Brexit懸念によって円買いと債券市場は買われすぎの状態?一方で米国経済のインフレは持ち直し傾向
今市場は来週にせまったイギリスの国民投票に焦点が集中し、
いわゆるBrexit懸念から米国やドイツ国債の利回りは大きく低下
しています。
しかし、ここで冷静に見ておくべき指標のひとつにインフレ指標が
あります。
米労働省が16日発表した5月のCPIは前月比0.2%上昇し、
アナリスト予想をわずかに下回っています。変動の大きいエネルギー・食品を
除くコアのCPIは前年同月比2.2%の上昇で2%以上の上昇が7か月連続して
続いています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は2%の年間インフレ率を目標としていますが
CPIよりも個人消費支出(PCE)価格指数を重視しています。4月のPCE価格指数は
前年同月比1.1%上昇で、食品とエネルギーを除くと1.6%の上昇でした。
物価動向を表す他の指標も楽観が強まっている様子を示しています。
アトランタ地区連銀が16日発表した物価指標の「粘着価格CPI」は2009年以来の高水準
に上りました。粘着価格CPIは、CPI統計のうち住宅用家具やパーソナルケア製品など
価格が変動しにくい項目を取り出して算出しています。5月は前年同月比2.55%上昇
しています。 これはあきらかにインフレの上昇傾向を示している兆候のひとつです。
ダウ工業株30種平均は年初来1.77%高をつけています。これは現在一部の投資家が
懸念しているような収益の崩壊を予感させるものではないです。
企業収益は過去1年半で大幅に減少していますが、それは非常に高い水準から減少
しているもので、利ざやは歴史的観点からみれば今もかなり高く、経済がリセッション
に近付く際によくみられる水準を大きく上回っているという指摘もあります。
この点からみれば、来週の英国国民投票を通過した後は、大きなリバウンド、とくに
ドル円のショートカバーと、債券市場の買われすぎの状態からの売りが加速する
展開も予想しています。
↓20000円のキャッシュバックがもらえるFX口座開設