
Brexitが現実となったときイギリスとEUの経済的影響はどうなる?
英国がEUから離脱したらどうなるかについてです。
EU離脱が決まった場合、主に二つのシナリオが考えられます。
一つは、人やモノ・サービスの自由な移動が認められている欧州経済領域(EEA)から
英国が完全に脱退し、EUとの関係を規定する二国間協定(スイスとEU間の協定と同様)
の締結が必要になるというシナリオです。
もう一つは、EEAにとどまり、引き続きEU規制の対象となるが、規則の策定にあたり
発言権はないというものだ。ノルウェーやアイスランドはEUとこうした関係にある。
銀行や資産運用会社への影響はどなるのでしょうか。サービス全般が影響を受ける。
融資業務や取引業務、さらには助言業務の対象範囲が制限される恐れがあります。
英国がEEAを離脱すれば、銀行や運用会社は事業展開を希望する国ごとに
事業認可を取得しなければならない。EEA全域で活動できる新たな「パスポート」を
取得したければ、関連事業の大部分をEEA管轄下に移す必要が出てくる可能性もあります。
ただし、EEA非加盟国が同様の規則を備えていた場合、欧州議会が大きな混乱なく
事業継続を許可することができる分野は多数あります。
例えば、運用会社に関する欧州規制が非加盟国運用会社に適用されるかもしれません。
その場合、非加盟国運用会社が現行規則を順守し、EEA当局から認可を得ている、
という条件が付きます。
多くの雇用がロンドンからEUに移る必要があるのかといえば一部ではそうした見方もあります。
EU離脱反対運動を率いる英国のオズボーン財務相は「数万人」が失職する恐れがあると警告して
います。HSBCは、英国がEUから離脱した場合、職員1000人をパリに異動させる可能性を明らかにしています。
英国統計局(ONS)によると、ロンドン金融業界の職員数は2014年時点で約36万人います。
だが、先行きが不透明なため、どんな数値であれ予想は難しい。欧州企業はロンドンの子会社
を増強する必要があるかもしれない。これが減少分を相殺する可能性もあります。
現状維持の可能性はあるのかといえば大いにあります。
英国が従来と同じ規制を維持すると約束すれば、多くの問題は避けられるかもしれません。
だが、英国はこれまでずっと国内金融部門との適合性を踏まえて法律を調整することに
熱心でした。最近では、ボーナス上限規制や金融取引税などの問題でEUと争っています。
英国が国内金融規制の見直しに着手すれば、現状維持でEUから理解を得るのはより
難しいかもしれない。
取引面の影響は現在、ユーロ建て取引の大部分はロンドンで決済されています。
欧州委員会は全てのユーロ建て取引の決済をユーロ圏で行うよう義務付ける可能性があります。
EU一般裁判所は昨年、英国の主張を認める形で、欧州中央銀行(ECB)には清算機関の設置場所
を決める権限はないとの判断を下したが、ECBはその際、この判決に異議を申し立てる方法を検討する
考えを示していました。英国がEUから離脱した場合、その絶好の機会となるかもしれません。
清算機関の移転は大ごとなのかは状況によります。清算機関は取引仲介機能や取引当事者
の破綻に備えた担保の確保など、金融システム内での重要性が高まっています。
結局、イギリスがEUから離脱する場合の影響は、その時になってみないとわからないと
いうことです。一部には影響はあまりないという楽観論もありますが、少なからずイギリス
の経済と金融の拠点であるロンドンからEUに移ってします口実をEU諸国に与えてしまう
ことが考えられます。
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