AUDJPY(豪ドル円)は長期チャートでトリプルボトムを形成で買い場となる?今後の予想は!
豪ドル円(AUDJPY)相場はここ最近下落傾向をたどっていますが
長期的にみて、この水準(75円台半ば)は絶好の買い場では
ないかという見方もあります。その理由は主にチャートからですが
長期チャートからみると、たしかにAUDJPYはいいところまで
下落したのではないかと思ってしまいます。
そこで、今回は豪ドル円について、本当にこの75円台半ば
水準は買い場になるのかどうか分析してみました。
豪ドルが売られている背景は
豪ドルだけでなく、オセアニア通貨がここ最近
売られています。その背景としては、やはりオーストラリアも
ニュージーランドも対中依存度が非常に高いということが
いえます。25%に引き上げられた対中関税の影響を
オーストラリアにも諸に影響をうけてしまうのでは
ないかという懸念が広まっているのです。
そして市場は先走って利下げを織り込んでいますが
豪ドルそのものの下げ余地は小さいと思いますが。
利下げすれば金利が低下し、2国間の金利が縮小し
スワップポイントもさらに減るとなれば、高金利通貨は
売られてしまいます。
市場は8月までの利下げをほぼ100%近く織り込んでおり、
さらに年内もう1回、合計2回の利上げを織り込んでいます。
流石に行き過ぎ感もあります。すこし市場はネガティブな
部分を先走りしているように見えます。
豪ドルの利下げ見通しが強い背景は
豪ドルの利下げ織り込みが進んだ背景としては、先週の
対中関税引き上げはもちろんとして、中国の4月小売売上高や
4月鉱工業生産が予想を下回ったこともあります。さらに、オーストラリアの
4月雇用統計で失業率が上がったことなどが挙げられます。
特に失業率が5.2%と、2018年8月以来となる8ヵ月ぶりの
高水準を記録したことが大きかったです。
その背景には、直前にRBA(豪準備銀行)のスタンスの変化があったからです。
労働市場が改善できなければインフレ率が目標と一致しないわけですから、
結論は自ずと利下げということになるわけです。
AUDJPYは長期チャートからみると買い場となる?
このようにAUDJPYは主に金利差縮小の見通しが強いことから
売られているのですが、しかしながらその要因はすでに市場に
織り込まれているようも見えます。
そこで考えておきたいのが、豪ドル円(AUDJPY)の長期のチャート
です。
↓のチャートがAUDJPYの長期チャートです。
このチャートは2012年からのAUDJPYの動きを
示したチャートですが、この赤い丸の部分で現在
トリプルボトムを形成するかどうかの瀬戸際のところまで
到達しています。
もしトリプルボトムの形成となれば、豪ドル円のこの水準
は絶好の買い場となるということも言えます。
たしかに豪ドルのファンダメンタルズの上記で示したように
悪いですが、その要因はすでに市場に織り込まれている
ことも言えます。
一方で円はどうでしょうか。言うまでもなく、ファンダメンタルズは
弱く、マイナス金利政策を維持するなか、円に資金が向かうことも
限界があるように個人的には思います。
円高になるシナリオは、リスクオフとなった世界市場が、円と
かユーロに資金が回帰するというシナリオですが、それは一時的
であっても長続きしない相場展開となっていることもいっぽうで
あります。別の言い方をすれば、円を長期で保有したい投資家は
あまりいないというのが現実なのです。
そういった要因を考えてみると、AUDJPYは上記のチャートが
形成しようとしているトリプルボトムを形成するのではないかと
個人的には思っています。
まとめ
豪ドルは、来週21日には、5月7日開催分のRBAの議事要旨が
公表されます。そこで利下げのタイミングについて、
どのような見通しを持っているかを見ておくことが大事だと
思います。すでに市場がハト派的な見通しを織り込んでいるとするならば
サプライズは豪ドルの上昇要因となります。
大事なことは、豪ドル円(AUDJPY)はあまり短期的な雰囲気に
染まらないで、しっかりと長期のチャートを眺めておくことも
大事なように思います。