BTFP(バンクタームファンディングプログラム)とは?準備預金付利金利との裁定取引について
BTFP(バンクタームファンディングプログラム)が設立された
きっかけは、シリコンバレー銀行破綻に伴う金融危機を
回避するために設立されたものですが、現状は、裁定取引の
対象なっている模様です。
BTFPとは?
BTFPは、銀行や信用組合が米国債とエージェンシー債を
額面評価で担保に差し入れ、さいちょう1年の借入を
可能とするものです。金利は1年のOIS(オーバナイトインデックススワップ)
に10bps上乗せしたものです。
12月27日終了週の借入額は、1360億ドルに達し、過去最高の
水準を更新しているようです。
BTFPと準備預金金利(IORB)の金利裁定取引
BTFPからの借入コストは、1年物OIS金利に連動しているため
現状のように、利下げ観測が強まると下がる傾向にあります。
現時点では、4.83%と連銀窓口貸出制度の5.5%よりも
安く借りられます。
一方で準備預金の付利金利(IORB)は、現状5.4%水準です。
ここで、裁定取引が昨日するのは、BTFPから借り入れて
準備預金において付利金利をもらうことによって裁定
が働きます。
その取引によってBTFPの残高は、日本円にして、約19兆2000億円
にも膨れ上がっているのです。
このスプテッドは、3月の制度発足以来最も大きいスプレッド
と現状なっています。
参照:ブルムバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-28/S6EEEFT1UM0W00?srnd=cojp-v2
まとめ
今回は、金融危機の状態回避の目的から設立された
BTFP(バンクタームファンディングプログラム)が、
現状危機ではない状況に関わらず、借入残高が過去水準に
達している背景について調べました。
背景には、準備預金の付利金利との裁定が働く状況に
現在あり、それは、利下げ見通しが大きく影響している
ことが要因のようです。
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