ハリケーン・ハービーがもたらす債務上限問題への影響と為替市場の動向は?
今も続いている、テキサスに襲来したハリケーン・ハービーの悲劇は
議会での懸念材料と好機材料両方を与えたようです。
ハリケーン・ハービーがもたらす議会への悪い影響は
懸念材料のほうは、損害修復のために潜在的にかかる
連邦政府の支出はゆうに2018年度予算支出に追加で
1000億ドルの追加支出もたらすでしょう。このことは
減税計画による生じる歳入不足を補うための裁量支出を
減らす動きに拍車がかかると思われます。
この追加支出は予算委員会が予算調整支出や
バードルールを適用するための算出に含まれていません。
しかし、どのみち、他で支出削減を達成することは困難で
あります。なぜならば、現在の財政調整ルールでは、
これらの支出カットは、必要な税制計画でオフセットされる
ことよりも、むしろ災害復興予算案によって相殺されるからです。
他の税法の変更によって歳入中立のタックスプランのつくることは
いまだ可能であるが、それは、短期的なものとなります。
しかし災害支援費にかかる予算の大きさにも
よりますが、支出がさらに膨らむので財政赤字に対する影響をゼロにする
予算を組むことは難しくなります。上院議会は救済支出の確立をルール化
する必要がでてくるであろう。
ハービーがもたらす議会への好機とは
好機としての側面は、2018年度予算に巨額の救済パッケージ
が必要となることは、直ちにに必要となる他の2つの予算によって
支援されるであろう。すなわ、債務上限の引き上げと2018年度
予算そのものです。
以前のハリケーンの救済パッケージが議会に上がった時は、
論争となり、また単独法案になりました。そして、議会が再開されて
いないあいだに、大きな法案を通過させるためには、議会通過最重要
法案と組み合わせるという提案がありました。
過去の大きなハリケーンの支援策は
2012-13年を振り返ると、サンディハリケーンによる604億ドルの
緊急救済パッケージが、結果的に通過したが、それ以前には
多くの共和党議員が、賛成票を拒否するか、あるいは他の支出
との相殺を主張していた。その当時の多くの共和党議員が議会に残って
いるが、少なくともかれらのおおくqは今回連邦政府の援助を
要求している。そこに、サンディ災害のときには反対したテキサス州
の共和党議員も含まれています。
2018年度の救済予算案でも、緊急援助を意図したものと、復興支援の
ための同様なストラクチャーを期待できるはずです。
サンディ法案と違って、今回の救済支出にたいしての反対が少ないと
予想する。もしそうであるならば、この救済案は、債務上限問題と
全体の予算問題に渡りに船とことで使われるであろう。
不運にも事実としては、災害に見舞われた州の議員は、債務上限引き上げと
予算案に反対だった。しかしながら、今回災害援助予算と抱き合わされ
れれば、彼らは、債務上限引き上げにも予算全体にも賛成にまわるであろう。
「Harvey」ハリケーンが襲ったことは、共和党議会のにとっては
救済パッケージと組み合わせた議会通過を最優先とする法案を得る
絶好の機会となるであろう。しかしながら、追加財政支出は、赤字中立の減税
法案を通過させるには、さらなる打撃となるであろう。
おそらく、ハリケーンによる救済法案は、単独法案として通過
するであろう。議会が再開して、これらの問題について議論が
始まるまでは、すべては、憶測のままである。しかしながら
これは、少なくとも債務上限問題を通過させる有用な渡りに船と
なると思われます。
為替市場の動向は?
債務上限問題は9月のもっとも大きな問題のひとつ
です。この問題が解決できなくて、政府機関が閉鎖
に追い込まれるリスクも指摘するひともいましたが
このハービーの問題は皮肉にも債務上限問題よりも
優先すべき課題となり、結果として為替市場は
リスクオフの懸念のひとつ軽減することが
予想されます。