2023年米国デット・シーリング(債務上限問題)シナリオと経済への影響は!?
米国のデットシーリング(債務上限)の問題の期限
が6月上旬に迫っています。
経済や株式市場への影響懸念が高まっていますが
今後どういうシナリオになるか、Ned Davis Reserch(NDR)
の分析を紹介してみたいと思います。
このリサーチによると、最近の債務上限対決は
どの政党も議会を完全に掌握していないため
それが米国経済に悲惨な結果をもたらす可能性も
あるということですが、4つのシナリオに
ついて紹介したいと思います。
期限を過ぎても膠着したまま
この可能性は、5%としているようです。
これは、もっとも悲惨なシナリオで、民主党と共和党の
政治対立により、米国政府が部分的に債務不履行
に陥るケースです。この場合、政府は、退職者、退役軍人、
軍人、請負業者への支払いをペンディングさせ、債務の
支払いは継続するシナリオです。部分的なディフォルト
となるため、米国債は格下げされ、投資家はより高い
プレミアムを払わされる結果となります。そして、経済への
悪影響と株価の下落という最悪のシナリオです。
債務上限引き上げに同意
このシナリオは、共和党が土壇場で歳出削減要求を
取り下げることで全面的な解決なるシナリオですが
この可能性は10%くらいとみています。この場合
経済見通しなども変わらないとみています。
バイデン大統領が要求を呑む
この確率は、20%で、このシナリオでは、バイデン大統領
が共和党の要求を、すなわち歳出削減要求をある程度
呑むことで、米国債のデフォルトを回避するシナリオです。
この場合、2023年と2024年の歳出がカットされることに
なり、投資家の間では、不透明さ増すことになります。
債務上限を一時停止
このシナリオの可能性が最も高いと考えられ、
65%の確率であると考えます。
このシナリオは、単に先送りであ、当座の債務不履行は
回避されるが、今後政府支出削減はあり得ます。また
政府機関閉鎖の可能性も考えられます。
この場合は、経済はネガティブに作用する考えられ
鈍化するリスクがあります。
ただ、本年度予算を審議する9月まで、この議論を
停止することは、一番可能性が高いものと
考えられます。
参照:
まとめ
今回はNDRの現在陥っている米国の債務上限問題
についてのシナリオ分析を紹介しました。
可能性が高いのは、債務上限問題を一時停止して
先送りするシナリオです。その場合、また夏から
秋にかけて問題が再燃しそうです。