８月の米雇用統計をどう考えるか。

８月の米雇用統計が昨日発表されました。
結果は予想に反して、就業者数が＋１４２Kと予想されて
いた＋２２０Kなどの数字からは大きく乖離する結果と
なりました。
就業者の伸びは４月の３０４Kの伸びを示して以降、鈍化
している結果となっています。
失業率は、６月に６．１％に低下、７月に６．２％、そして８月
は６．１％と落ち着いています。
これだと１２月に６％を割れるのは難しい公算が強いです。
一番大事な指標の一つである、広義のU6失業率（職探しを
あきらめた人や経済上やむおえずパートタイムで就業している
いる人を含める）は１２．０％と６月の１２．１％からわずかに
減少したのみです。
米国のリセション入りした時のこの数字が８．８％だったことを
考えると、この失業率の高さが目立ちます。
もう一つの重要指標の一つである、平均時給については、
前年同月比で２．１％の上昇と賃金上昇圧力がかかっている
とは言い難い状況のままです。
イエレン議長のジャクソンホールでの講演で、金利見通しに
関するフォワードガイダンスの変更が早まるとの憶測もながれて
いましたが、この数字をみると、よく言葉にされる労働市場の
スラックの評価や金利見通しについて、早急に変える状況
ではないほど労働市場では進展していないことを意味して
いるようです。
この数字によって、今月のFOMCでの政策姿勢を大幅に変える
見通しは弱まったと判断していいと思われます。