1月米国CPIの急上昇で3月の米利上げ可能性が高まるが、それでもドル円反応はいまひとつ?
3月の米利上げの可能性が急上昇しています。
1月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る上昇となったことと、
イエレンFRB議長の議会証言内容がタカ派的と受け止められている
ためです。
1月のCPIが2013年2月以来の高い伸びとなりました。そこで
先物トレーダーが織り込む3月14、15両日のFOMCでの利上げ確率
は42%と、今月6日時点の24%から急上昇しています。
イエレンの議会証言の影響が大きい
3月の利上げ確率の急上昇の背景としては、イエレン議長が14、15両日
に上下両院で行った半期に一度の証言で、緩和解除を長く待ち過ぎるのは
賢明ではない、と語ったことも挙げられます。
これでFOMC参加者が先に示した今年3回の利上げ見通しに
追い付き始めており、こうした市場センチメントの移り変わりで
米国債利回りが一段と上昇するという見方が強まっています。
ドル円の反応はいまひとつ
ドル円相場は昨日の議会証言の後は上昇したものの、昨日のCPIの
発表以降は利食い売りに押されています。
先週から政治的なイベントをクリアして、ドル円はとくに買いやすい
地合いとなっているようですが、そのわりには、ドルの上昇が鈍い
感じがします。
これは、おそらく、市場のポジションがすでにロングに傾いて
いることもあげられるかと思われますが、少し警戒すべきことは
ドル買い材料は、金利の見通しをはじめてとして、トランプのリフレ期待
を含めて出尽くしているため、はしごを外されたときの反応のリスク
のほうが大きい展開も警戒しておくべきのような気がします。
肝心のトランプ政権の船出はフリン氏お辞任をはじめ、労働省の閣僚も
辞めざるおえない状況に追い込まれている実態もあり、油断してドルを
買い進めるとしっぺ返しを食らうような気がしています。