今週の注目点はメール問題と大統領選一色だが、Q3GDPの内容を振り返ってみると
週末のマーケットはコーミー長官の異例中の議会に
クリントン氏のメール問題再捜査を告げたことで
すべてが打ち消された格好となりましたが、肝心の
ファンダメンタルズはどうだったか振り返って
みたいと思います。
輸出の回復で予想よりもよかったGDPの内容とは
米商務省が28日発表した7-9月期のGDP速報値は
前期比年率換算2.9%増と、4-6月期の1.4%増から
大幅に加速し、2年ぶりの高い
成長率を記録しました。
成長率が加速した主因は輸出の増加と在庫の積み上げでした。
ただ個人消費は伸びがやや鈍化しています。
GDPの3分の2を占める個人消費は2.1%増となり、4-6月期の4.3%増から
伸びが鈍化しています。
一方で自動車や家電製品などの耐久財の消費は9%増と予想を上回りました。
輸出は10%増と、ここ3年近くで最も高い伸びを記録した。貿易はGDP成長率
を0.83ポイント押し上げた結果となっています。
民間在庫は0.61ポイントのプラス寄与となった。これまでは5四半期連続で
マイナスに寄与していました。
在庫の増減を除く実質最終需要は2.3%増となり、4-6月期の2.6%増から
ペースがやや減速しています。
企業の設備投資の尺度である非住宅固定投資は1.2%増で、4-6月期の1%増から
伸びが加速しています。
住宅投資は6.2%減と、2四半期連続で落ち込んでいます。
2014年半ばから今年の春までは成長のけん引役となっていましたが
ここにきて失速しています。
政府支出は0.5%増。連邦政府の支出が大幅に増加し、州政府・地方自治体
の減少分を打ち消した結果となっています。
GDPは12月利上げのコンセンサス整う内容
このGDPの結果から考えると、12月の利上げに問題ないという
コンセンサスがさらに確立されたといってもいいと思われます。
一方で大統領選挙の行方について不透明感がただよってきました。
今週はとにかく、FBIが再捜査をはじめたメール内容がどうなのか
このことに焦点が集中しそうです。